FRONTEOと日本マイクロソフトが連携、自然言語処理AI「KIBIT」製品をMicrosoft Azure上で提供開始

株式会社FRONTEOが開発した自然言語処理AI「KIBIT」は、テキスト解析においてキーワードに頼らず専門家や業務熟練者が備える「暗黙知」を再現した独自の機械学習アルゴリズムを用いたAIである。少量の教師データで短時間での解析が可能としている。今般、FRONTEOと日本マイクロソフト株式会社が連携し、日本マイクロソフトが提供するクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」上でKIBIT製品の販売を開始した。同連携により、Microsoft Azureを使用するユーザー企業や導入を検討しているユーザー企業にとって、さまざまな業務のテキスト解析に実績があるKIBIT製品の導入・構築が容易となり、Microsoft Azure上で自社の業務にAIを活用することが可能になる。また、今後の展開として、KIBIT製品のなかでも昨今引き合いが増加している電子メール監査システム「Email Auditor 19」と、日本マイクロソフトが提供する統合ソリューション「Microsoft 365」の連携を強化していく。これにより、Microsoft 365を利用しているユーザー企業はAIによるメール監査をスムーズに開始することが可能となり、監査業務の工数を削減しながら膨大な量のメールから要監査メールを抽出することができる。また、KIBITを活用した他の製品、ビジネスデータ分析支援システム「Knowledge Probe 20」やKIBITエンジンをAPIとして提供する「KIBIT – Connect」も、マイクロソフトの製品と連携することを予定している。連携を強化した製品は、まずは金融機関向けに提供していく。その事由として、取扱い金融商品の種類が多く金融商品取引法に準じた顧客応対が必要となる金融機関ではコンプライアンス強化が急務となっており、そのために扱うテキストデータ量が膨大であるため、コンプライアンス業務の効率化を支援するKIBIT製品に対するニーズが高いと見込んでいることが挙げられる。同連携に際して、日本マイクロソフト パートナー事業本部 ISVビジネス統括本部長の野中智史氏は「今回の連携により、大量データを処理するリソースの手配は不要になり、Email Auditorによる監査機能を素早くお客様に提供することが可能になりました。CSゴールドマークの取得やFISC安全対策基準への対応など、Microsoft Azureは金融機関のお客様からの厳しいセキュリティ要件も満たしており、安心してご利用いただけます」と述べている。続けて「今後はEmail Auditorだけでなく、KIBITエンジンとAzure Machine Learningといった機械学習サービスの連携により、モデルの精度を常に保つため継続的なデータ収集と整備、モデルの管理などMLOps(機械学習の運用)を通じて、本番環境でのAI実装をより一層進めていく予定です」と述べた。

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