中古戸建てのリノベーション費用相場はいくら?

中古の戸建て住宅市場が大きくなっており、新築よりも安く購入できるとあって人気です。中古の戸建て住宅を購入して、自分好みにリノベーション、リフォームする人が増えているようです。

そこで気になるのが、戸建てをリノベーション、リフォームしたときの費用相場ではないでしょうか?また、どこをどのようにリノベーション、リフォームしたら良いのかわからないこともあるでしょう。この記事では、中古の戸建て住宅をリノベーション、リフォームするときの費用相場、ポイントについて解説していきます。

《目次》- 戸建てリノベーション、リフォームがおすすめの理由

戸建てリノベーション、リフォームがおすすめの理由

戸建てなら、マンションでは難しい玄関まわりのリノベーションも自由にできる

これまでは戸建て住宅を購入するといえば、新築が一般的でした。とくに日本では、新築の戸建て住宅を手に入れることが、一種のステイタスとして定着していました。

しかし近年は、新築に対する憧れが薄れてきており、中古の戸建てを購入して、リノベーション、リフォームする人が増えています。新築ではなく、中古の戸建てを購入してリノベーション、リフォームするのが人気なのには、さまざまなメリットがあるからです。ここでは戸建て住宅のリノベーション、リフォームがおすすめな理由を説明していきます。

メリット

価格が安い

中古住宅を購入してリノベーション、リフォームすれば、新築住宅を購入するよりも価格が安くなるケースがほとんどです。新築の戸建てに憧れる人は多いですが、立地などを考慮すると価格が高すぎて無理だと諦める方も少なくありません。

国土交通省の平成29年度住宅市場動向調査では、中古戸建て住宅の平均購入価格は2857万円であるのに対し、新築の注文住宅の平均購入価格は4334万円であると発表されています。中古戸建て住宅と新築住宅では、大幅な価格差があることがわかりますね。

また、一般的に中古戸建て住宅は、築年数が古い物件ほど、その価格が安くなるため、かなり安い価格で購入することができることも多いです。戸建て住宅の場合、築20年で建物の価格がほぼゼロの底値まで下がってしまっているため、将来的に売却を検討している場合でも、損してしまうことがありません。

木造住宅で、築20年を超えている中古物件は、土地代だけで購入できることもあります。リーズナブルな価格で購入できるということが、戸建て中古住宅をリフォーム、リノベーションする、大きなメリットといえます。安い価格で物件を探している方には、まさにぴったりでおすすめです。

物件の数が充実

中古戸建て住宅は、物件の数がたくさんあるため、さまざまな物件の中から選ぶことができるのもメリットです。中古戸建て住宅は、すでに建物が建っているため、立地条件の良い物件が多いのも魅力といえます。新築のように、土地から探す必要がなく、駅近だったり、都心へアクセスしやすかったりする好立地な物件の中から選べるというメリットがあります。

理想的な住宅を実現できる

中古戸建て住宅をリノベーション、リフォームする魅力のひとつに、自分好みの理想的な住宅に仕上げられる点があげられます。ライフスタイルにあった間取りにリノベーションしたり、浴室やキッチンも機能性が高く、使いやすいものに変更したりと、自由に住宅のデザインを行うことができます。

中古戸建て住宅の良さを活かしながら、理想的なデザインにリノベーションすることができるため、リフォーム工事費用も抑えることが可能になります。

古民家を自分好みにリノベーションする人も増えている ### デメリット

工事費用が高額になることもある

中古戸建てを購入してリノベーション・リフォームする大きなメリットは、価格が安いということですが、物件によっては、工事費用が高額になることもあり、新築と価格がほとんど変わらなくなってしまうこともあります。築年数の古い中古住宅ほど価格は安くなりますが、水回りや配水管などが劣化していることも多く、それらの工事費がかなり高くなってしまうケースが多いようです。

1981年より前に建てられた戸建て住宅は、耐震性が低い物件が多ため、注意が必要です。断熱性が低い中古戸建ても多いようです。耐震補強したり、断熱材を使用したり、サッシ交換が必要だったりと、思っていたよりも、修繕する箇所が多かった場合は、予想していたリノベーション費用を大きく上回ってしまうことになります。

また、中古戸建て住宅は、実際に解体してみないとその物件の状況がわからないことが多いのも事実です。素人では良質な物件かどうか見分けることは難しいため、注意が必要です。

築年数や状態により、リノベーション、リフォームの規模・費用も大きく変わる #### 思いどおりにリノベできない可能性も

リノベーション、リフォームすることを前提として、中古戸建て住宅を選ぶ際は、リノベーションに向いている物件を選ぶことが重要なポイントです。

中古戸建て住宅によっては、理想的なリノベーション、リフォームができないこともよくあります。建物の構造によっては、間取りを変更することができなかったり、キッチンや洗面・浴室の場所を移動させることができなかったりします。「こんなはずじゃなかったのに…」とあとで後悔してしないように、注意が必要です。

新築・建て替えとの比較

新築・建て替えと、中古戸建てリノベーション住宅は、どちらも理想的な家に仕上がることに違いはありませんが、両者の間にはさまざまな違いがあります。

リノベーション、リフォームの場合は、工事を行う際、既存住宅の良いところを活かしながら改修していきます。費用相場に関しては、リノベーションの規模によって、かなり価格が異なりますが、だいたい300万〜2000万円くらいが相場です。

築10年〜20年くらいの中古戸建てであれば、部分的なリノベーションだけで済むこともありますが、築20年以上になると、大掛かりな工事が必要になります。間取りに関しては、建物によって壁を取り払うことができないものもあるため、自由にデザインすることができないこともあります。

工事期間は、リノベーションの規模によりますが、1ヶ月〜4ヶ月くらいが一般的です。新築・建て替えの場合は、工事を行う際、住宅のすべてを解体し、ゼロに戻した状態から建てていきます。そのため、費用相場は1000万〜4000万円くらいと、かなり高額になります。

また、解体費や破棄費用なども必要となり、建て替え期間中の仮住まいの費用や引っ越し費用もかかってきます。間取りやデザインに関しては、制限がなく、自由に設計することが可能です。工事期間は、4ヶ月〜6ヶ月ほどかかります。

できることできないこと

中古戸建て住宅の構造や形状によっては、理想どおりのリノベーション、リフォームができないこともあるため、注意が必要です。

とくに注意したいのが、建物の工法です。工法によっては、リノベーションで人気の間取り変更ができないことがあります。日本の古い家屋に多い「木造軸組工法」は、柱や梁、筋交いによって建物を支えています。「木造軸組工法」は、間取り変更がしやすいため、リノベーションにおすすめです。

「ツーバイフォー工法」や住宅メーカー独自の工法で建てられた物件は、間取り変更ができないこともあります。戸建てのリノベーション、リフォームでは、屋根材の塗装や施工、外壁の塗装や張り替え、断熱性の高いサッシへ交換、断熱材を入れて断熱性を向上させる、耐震補強、ドアの交換、壁紙や床材の取り替え、水回り場所の移動、1階の天井を撤去して吹き抜けにする、敷地に余裕があれば増築することなどができます。2階建てを3階建てにするなど、建物の高さを変えることは法規上できないことが多いです。

戸建てリノベーション、リフォームの費用相場は?

築年数や状態により、リノベーション・リフォームの規模・費用も大きく変わる

戸建てリノベーション、リフォームを行うときに知っておきたいのが、どの工事にどれくらいの費用がかかるのかということです。中古戸建て物件の築年数や状態により、リノベーション、リフォームの規模も大きく変わってきます。一般的によく行われるリノベーション、リフォームのそれぞれの内容の費用相場について紹介しますので、適正価格をチェックしておきましょう。

間取りの変更

リノベーションで人気の高い、間取りの変更は、建物の構造により、価格が大きく変わってきます。そのため、間取り変更の費用相場は、20万〜350万円程度と、かなり幅があります。

既存の間仕切り壁を撤去する場合の費用相場は、10万〜25万円ほど(一箇所につき)で、間仕切り壁を新たに設置する場合の費用相場は、だいたい10万円〜25万円(一箇所につき)です。工事期間は、一般的には2日〜6日ほどです。建物の骨組み状態にするスケルトンリノベーションの場合は、工事期間が2ヶ月ほどかかります。

増築

戸建て住宅の増築は、さまざまなケースがあるため、増築工事の内容ごとに費用相場を見ていきましょう。

既存の窓などに、後付けバルコニーやベランダを増築する場合の費用相場は、だいたい30万〜50万円です。敷地内に、新たに部屋を増築する場合の費用相場は、200万〜250万円ほどです。

一般的なトイレの増築の費用相場は、一般的には120万円前後です。トイレの増築に関しては、水回りの工事も関係してくるため、増築する場所によっては、工事が大掛かりになることもあり、費用に差が出てきます。

耐震性を上げる

耐震性を向上させるリノベーションも、工事内容によって費用は変わる

耐震性を向上させるリノベーションは、工事内容によって費用が大きく異なります。

一般的な耐震性をあげるリノベーションの費用相場は、概算として120万円〜150万円くらいです。筋交いや接続用の金具を壁の間に取り付ける工事であれば、一般的には20万円〜25万円程度で行えます。

耐震金具を柱・筋交い・土台に取り付ける工事は、設置する場所によって価格が変わってきますが、10個の金具の使用で、だいたい30万円〜40万円が費用相場です。外壁に鉄筋ブレースやフレームなどの補強材を使用して、耐震性をあげる工事の費用相場は、だいたい50万円前後です。

また、外壁材を除去し、土台や柱に耐震パネルを取り付け、新たな外壁材をかぶせる方法の耐震リフォームの場合の費用相場は、概算として65万円前後となっています。

瓦の屋根材を金属ルーフなどに葺きかえて、耐震性を向上させる工事は、足場を組む必要があり、大掛かりになるため、費用相場は一般的に80万円〜120万円くらいと高額になります。

断熱性を上げる

壁や天井に充填材を入れる断熱リフォームも人気がある

断熱性を上げる断熱リフォームは、床・床下、壁、天井、窓・玄関などで行われます。

断熱性を上げる床・床下のリフォーム工事の費用相場は、だいたい1平方メートルあたり3000円〜5000円です。床下から断熱パネルを取り付ける工事になります。

断熱性を上げる壁のリフォーム工事の費用相場は、「充填断熱」の場合5000円〜1万円ほど(1平方メートルあたり)、「外張り断熱」の場合7000円〜9000円ほど(1平方メートルあたり)、「断熱塗装」の場合5000円〜8000円ほど(1平方メートルあたり)と言われています。

壁のクロスなどを剥がして、室内側から構造材の間に断熱材を入れる「充填断熱」は、一般的な住宅での費用相場は、だいたい50万円〜100万円になります。

外壁材を解体する「外張り断熱」は、外壁張り替えリフォームと一緒に行うのが一般的です。一般的な住宅での費用相場は、だいたい70万円〜90万円です。

断熱機能を備えた塗料を壁に塗布する「断熱塗装」の一般的な住宅での相場費用は、だいたい80万円〜110万円になります。

断熱性を上げる窓のリフォーム工事の費用相場は、複層ガラス窓への交換工事の費用相場はだいたい1万〜3万円、アルミサッシを樹脂サッシに交換する工事の費用相場は3万〜10万円程度、内窓を取り付ける工事の費用相場はだいたい5万〜12万円となっています。

一般的な戸建て住宅で、床・外壁・天井・窓の総合的な断熱リフォームを行う場合の費用相場は、350万〜600万円と言われています。

吹き抜けにする

開放的な吹き抜けはマンションでは難しく、戸建てならでは

開放的な空間にすることができる吹き抜けリフォームも人気です。吹き抜けをつくるリノベーション・リフォームの費用は、規模や建物の構造によって変動しますが、だいたい150万円前後が費用相場となっています。とくに、柱や梁の位置や場所を移動させないといけない場合は、さらに費用が高額になってしまうこともあります。

水回りを変える

アイランド型、カウンター式など、キッチンはレイアウトも様々

水回りのリノベーションは、キッチン・浴室・トイレ・洗面台があります。

水回りのリノベーションのなかでも、キッチンはとくに人気の高い場所です。キッチンをリノベーションする場合は、概算としてキッチン商品の費用(50万〜100万円)、食洗機、浄水器付き水栓、スライド収納などのオプション費用(10万〜30万円)が必要と言われています。

さらに、既存キッチンの解体・処分費用(10万円ほど)、キッチンの取り付け工事費用(10万円ほど)、給排水菅工事費用(3万円ほど)、電気配線工事費用(3万円ほど)が必要と言われています。。

キッチンリノベーションの費用相場は、だいたい75万〜250万円です。

戸建ての浴室はユニットバスだけでなく、自由なレイアウトの在来工法も選択肢に

浴室をリノベーションする場合は、浴槽など商品の費用(40万〜130万円)、シャワーヘッド交換や浴室暖房乾燥などのオプション費用(1万〜30万円)が一般的にかかります。

さらに、既存浴室解体処分費用(10万円ほど)、ユニットバス取り付け工事費用(10万円ほど)、給排水管工事費用(3万円ほど)、電気配線工事費用(3万円ほど)が必要と言われています。

浴室リノベーションの費用相場は、だいたい80万〜300万円になります。

洗面台やトイレも、他の部屋に合わせて総合的にリノベーションできる

洗面台をリノベーションする場合は、概算として、洗面台商品の費用(20万〜60万円)、シャワーヘッド取り付けや水栓変更などのオプション費用(5000〜5万円)がかかります。

さらに、既存洗面台解体処分費用(5万円ほど)、洗面台取り付け工事費用(5万円ほど)、給排水管工事費用(5000円ほど)、電気配線工事費用(5000円ほど)が必要と言われています。

洗面台リノベーションの費用相場は、だいたい30万〜60万円になります。

トイレをリノベーションする場合は、トイレ商品の費用(20万〜40万円ほど)、自動洗浄機能などのオプション費用(1万〜2万円ほど)がだいたいかかります。

さらに、既存トイレ解体処分費用(2万円ほど)、トイレ取り付け工事費用(3万円ほど)、給排水管工事費用(1万円ほど)が必要と言われています。

トイレリノベーションの費用相場は、20万〜50万円程度になります。

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