世界で唯一手銛1本で闘う真の捕鯨集団「ラマレラ」村。クジラとともに生きてきた部族の軌跡を辿る『ラマレラ 最後のクジラの民』新発売!

捕鯨を生活の糧とする慣習は昔から世界各地にあったが、 「太陽(レラ)の土地(ラマ)」と名付けられたインドネシアの小さな村「ラマレラ」は、 今も捕鯨で生きる世界最後の存在。 そのラマレラを舞台に、 圧倒的な迫力のクジラ狩りと、 村人の心の葛藤を追いかけた迫真のルポルタージュ『ラマレラ 最後のクジラの民』(NHK出版、 2020年5月29日刊)が発売。

クジラ狩りの銛手「ラマファ」。 彼らの主たる獲物は、 歯を持つ肉食動物として現存する最大の生物、 マッコウクジラです。 ラマファはたった1本の手銛のみで、 真っ向から戦いを挑む。肥沃な土地に恵まれず作物を育てるのには向かないラマレラにおいて、 人々の栄養摂取と文化を何百年も支えてきたクジラ狩り。 しかし、 過去二十年ほどの間で、 ラマレラにも近代化の波が押し寄せている。

祖先から受け継いだ暮らしを守るべきか、 それとも変化を受け入れるべきか、 人々の心は揺れ動いていく。 ラマファに憧れる若者ジョン、 もっと教育を受けたい妹のイーカ、 誇り高いラマレラ一番のラマファであるイグナシウス、 都会生活を夢見るその息子ベン……。 ラマレラで生きる人々のドラマを通して、 存続の危機にある希少文化の“いま”がいきいきと描き出されている。本書を執筆するにあたり、 著者のダグ・ボック・クラークは3年にわたってラマレラで過ごし、 ラマファたちの漁に何十回も同行。 ラマレラの人々に毎日密着して記録し続けた、 彼らのストーリーと祖先の築いてきた文化。 「クジラの民」の圧倒的なリアリティに、 胸を打たれること間違いなしの一冊。

プロローグ 見習い修業

第1部 1994年~2014年
第一章 漂流
第二章 クジラの骨を遊び場として
第三章 クジラ乞いの儀式
第四章 村の団結が戻る
第五章 父の教え
第六章 笑う娘
第七章 ラマファの作法

第2部 2015年
第八章 新しい一年
第九章 自分の道は自分で
第十章 結婚式
第十一章 人生の嵐に揉まれしときも

第3部 2016年
第十二章 ケナプカ号が生まれ変わる
第十三章 海獣との対峙

エピローグ

© 有限会社ルーフトップ