1本の釘も使ない「組子」 直線が多い日本の建具に丸み

三重県菰野町にあるパラミタミュージアムで、日本の伝統技法の一つ「組子」を用いた地元の職人の作品と、20世紀に活躍した洋画家の作品を集めた2つの展覧会が28日から始まりました。

「組子」とは、釘を使わずに木を組み付ける技術のことで、障子や襖(ふすま)といった建具に用いられてきた日本の伝統技法です。

紹介されているのは、菰野町を拠点に活動する黒田之男さんと裕次さん親子の工芸美あふれる作品で、直線が多いとされる日本の建具に丸い「組子」を取り入れたものは展示会の目玉となっています。

照明器具や文箱にも緻密な模様が特徴の組子を取り入れるなど、伝統とモダンを組み合わせた黒田親子ならではの作品を見ることができます。

また、洋画展では激動の20世紀を生きた日本人作家たちの絵画作品が展示されています。

20世紀は、写真技術の本格的な普及によって写生に代わり抽象画が増えた芸術の転換期とされていて、海外で高く評価された津高和一の作品なども見ることができます。

2つの展示会は菰野町のパラミタミュージアムで7月28日まで開かれています。

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