選手会は「より多くの試合」と「完全な日割り給与」を要求へ

ESPNのジェフ・パッサンによると、メジャーリーグ選手会はメジャーリーグ機構に対して「レギュラーシーズンを100試合以上の規模で開催すること」と「開催された試合数に応じた日割りの給与を完全に保証すること」を求めるようだ。メジャーリーグ機構から年俸削減についてのプランを提示された選手会は電話会議を行い、メジャーリーグ機構から提示されたプランを無視する方針を固めたという。2020年シーズンの開幕に向けて、交渉の行方が注目される。

メジャーリーグ選手会の8人の役員のうちの1人であるマックス・シャーザー(ナショナルズ)は、メジャーリーグ機構から提示されたプランについて「他の選手たちと最新の動向について話し合ったが、さらなる年俸削減についてメジャーリーグ機構と交渉する必要はない」と自身のTwitterで発信。選手会は3月の時点で、開催された試合数に応じた日割りの給与を得ることで合意しており、これ以上の年俸削減に応じる必要はないというスタンスを貫いている。

一方、メジャーリーグ機構は無観客でのシーズン開催となれば、各球団の大幅な収入減は避けられないため、選手会にさらなる年俸削減を求めている。選手会が100試合以上のシーズンを望んでいるのに対し、82試合制でのシーズン開催を提案しているのも、より高額な放映権収入が期待できるポストシーズンを無事に開催するために、長期間のシーズン中に新型コロナウイルスの感染が拡大してシーズンが中断ないし中止されてしまうリスクを減らす狙いがあると見られている。

メジャーリーグ機構も選手会も2020年シーズンを開幕させたいという点では一致しているものの、特に金銭面の意見には大きな隔たりがある。選手会が100試合以上のシーズンを望んでいるのは、交渉のカードとするためという見方もある(譲歩して82試合制の開催にする代わりに完全な日割りの給与を得る)。金銭面の問題ばかりが取り上げられ、感染防止策などに関する議論が進んでいない点は気掛かりだが、メジャーリーグの2020年シーズンは無事に開幕を迎えることができるのだろうか。

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