「祇園祭」発祥の地で疫病退散祈祷 58年ぶり山鉾巡行中止も「御霊会」にのっとり 京都・神泉苑

 新型コロナウイルスの感染拡大の懸念から京都では7月恒例「祇園祭」のハイライト「山鉾巡行」が2020年は中止になった。発祥の地「神泉苑」(京都市中京区)で5月、疫病退散を祈祷する儀式が執り行われた。

 当時は地震などの災害も相次ぎ、1151年前に当時の国の数と同じ66本の鉾を立てたのが祇園祭のルーツで、明治までは「祇園御霊会(ぎおんごりょうえ)」と呼ばれていた。

■「疫病退散のメインイベント、コロナ感染拡大で中止とは…」

 日本に定住して1年、山鉾巡行を楽しみにしていたフランス人の女性は「祇園祭が1000年以上も続くイベントだと聞いて驚いた。しかも疫病から国を守るのが目的だったことも。折しも世界中で“COVID-19”新型コロナウイルスがまん延する中、メインイベントが取りやめになったのは残念です。ステイホームの観点でもちろん室内にいるのが安全ですが、たまには短時間外に出て気晴らし、私はスケッチをしています。日本人はもう少し趣味を大切にしたらいいのに、と思いますよ」と話した。

神泉苑でスケッチするフランス人女性

 

令和2年の祇園祭は、巡行は中止されたものの、山や鉾を建てて飾る山鉾建てについて状況を見ながら6月上旬までに判断するという。山鉾巡行の中止は、阪急電鉄の地下化工事が行われた1962年(昭和37年)以来58年ぶり。明治時代にはコレラの流行で延期されたこともある。

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