「新型コロナウイルス」関連倒産状況【5月29日17:00 現在】

 5月29日17時現在の「新型コロナ」関連の経営破たんは、全国で合計192件(倒産136件、弁護士一任・準備中56件)に達した。
 新型コロナ関連の経営破たんは、2月2件、3月23件から4月は84件に急増。5月も大型連休明けから月間100件ペースをたどったが、後半に落ち着き、29日までの合計は83件にとどまった。
 都道府県別では、福井、和歌山、鳥取、高知、長崎の5県を除く、42都道府県で発生。
 件数は、東京都が41件(倒産37件、準備中4件)で突出。以下、北海道16件(同14件、同2件)、大阪府16件(同9件、同7件)、静岡県11件と兵庫県10件で、10件以上は5都道府県。
 業種別では、宿泊業が33件(同24件、同9件)で最多。インバウンド需要の消失、国内旅行・出張の自粛でキャンセルが相次ぎ、行き詰まったケースが多い。次いで、外出自粛で来店客減少や臨時休業、時短営業に追い込まれた飲食業が30件(同18件、同12件)、百貨店や小売店の臨時休業が影響したアパレル関連が24件(同16件、同8件)と、個人消費関連の業種が上位に並ぶ。
 また、多くの会葬者を伴う葬儀の減少で葬儀業など、幅広い業種で発生している。
 経営破たんの企業は、もともと人手不足や消費増税の影響で資金繰りが厳しかったところに、新型コロナで業績が急激に悪化した企業が多い。
 集計対象外だが、負債1,000万円未満の小・零細企業・商店の経営破たんは、2月から5月29日までに北海道・秋田県・神奈川県で合計3件判明した。今後、休業していた企業・商店で制度融資や支援策などを活用せず、そのまま廃業を決断するケースの増加も危惧される。
 5月25日、全国で緊急事態宣言が解除されたが、新型コロナ感染拡大による外出自粛や休業要請などで失った売上が、コロナ前に戻るには時間が必要だ。一方、事業再開には仕入資金や人件費などの立ち上げ資金が欠かせない。手元資金が乏しい小・零細企業・商店が、事業再開から本格営業に至るまで一時的な立替資金も発生する。このため政府の各種資金繰り支援策や助成金に加え、民間金融機関の長期の返済猶予や経営指導など、寄り添った支援が求められる。

 ※ 企業倒産は、負債1,000万円以上の法的整理、私的整理を対象に集計している。
 ※ 原則として、「新型コロナ」関連の経営破たんは、担当弁護士、当事者から要因の言質が取れたものを集計している。  

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5月29日 経営破たんは2件発生、累計は192件に

 新型コロナ関連の経営破たんは、2月から5月29日までに合計192件に達した。5月は29日17時までに83件が判明し、4月の84件を1件下回った。
 29日の主な倒産事例:通夜菓子・葬儀用会葬品販売の(有)千尋園(鹿児島県)は、新型コロナ感染拡大で会葬者が集まる葬儀自粛の影響で経営に行き詰まり、5月19日に破産開始決定を受けた。 

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