大瀬戸の港に迷いクジラ 海きらら職員による “救出劇”

西海市役所前の漁港に迷い込み、海きららの職員に、一時捕獲されたクジラ(西海市提供)

 長崎県西海市大瀬戸町の市役所前の港に、クジラが迷い込んだ。1日、佐世保市の九十九島水族館(海きらら)の職員らが捕獲して沖合に移送。付近では住民らが“救出劇”を見守った。
 同館によると、体長約3メートルの小型のクジラ「コビレゴンドウ」。本県では五島沖などで見られる。岸まで近づいたのは「海きららとして初確認」という。
 5月31日朝、「イルカがいる」と西海市に通報があり、漁業関係者が船で2度、沖に誘導したが、戻ってきた。夕方には近くの砂浜に打ち上げられ、佐世保市のダイバー(48)が海に戻し一時離岸。しかし、1日朝も港内にいた。海きららの職員によると、「前日よりも弱々しかった」という。
 1日午前は港の周辺に住民ら数十人が集まり、救出の様子を見守った。10時ごろ、海きららの職員らがクジラの捕獲作業を開始。抗生物質を投薬するなどした上で約1時間後に漁船で約2.5キロ沖に移送した。近くの女性は「仲間の元に戻ってほしい」と願った。

 


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