【新型コロナ】 横浜港・客船ターミナルが2カ月ぶり営業再開、〝静かな船出〟

再開に向けた準備を進める担当者=1日午前、横浜港大さん橋国際客船ターミナル

 横浜港で1日、二つの客船ターミナルが約2カ月ぶりに営業を再開した。利用客の密集回避や換気、消毒を徹底するなど新型コロナウイルスの感染防止に配慮する。しかし、クルーズ船の入港予定は当面なく、静かな“船出”となった。

 横浜港大さん橋国際客船ターミナル(横浜市中区)は、出入り口に消毒液を設置したほか、大型の換気扇を導入。カフェやレストラン、店舗にはマスク姿で訪れる客の姿もあった。

 一方、新港ふ頭客船ターミナル「横浜ハンマーヘッド」(同区)では、商業施設とホテルが営業を全面再開した。飲食スペースでは対面を避けた客席利用を促し、テラス席を増設。近くの住民や会社員らがランチを楽しむ様子が見られたが、本来のにぎわいにはほど遠い状況だった。飲食6店舗は今後、料理のテークアウトやデリバリーを拡大していくという。

 市港湾局によると、横浜港へのクルーズ船寄港は今年、過去最多となる約260回を予定していた。しかし、「ダイヤモンド・プリンセス」で集団感染が起きるなどコロナ禍が直撃。6月中の入港予定もすべてキャンセルとなり、3月以降4カ月連続でゼロが続いている。市は「今後も見通せない」と、観光客誘致や地域経済への影響拡大を懸念している。

 クルーズ船「飛鳥Ⅱ」は大さん橋に、「にっぽん丸」は新港ふ頭にそれぞれ停泊している。

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