10兆円の予備費「議論の余地がある」石破氏

 政府の第2次補正予算案、総額約32兆円のうち、その3分の1にあたる10兆円を「予備費」としていることに「政府に白紙委任状を渡すことになる」「財政民主主義に観点から問題だ」「臨時国会も開くつもりもないのか」との指摘が野党から相次いでいるが、自民党の石破茂元幹事長もブログで「財政民主主義の観点から議論の余地がある」と議論するよう提起した。

 石破氏は「早期成立を期すべきことは当然ですが、使途につき、国会審議を経る必要のない予備費10兆円は『財政民主主義』の観点から議論の余地がある」とした。

 石破氏は「財政の持続可能性については、消費税が果たすべき役割の変化(格差の拡大という背景)、グローバリゼーションを前提とした法人課税の在り方、一人一人の幸せの実現を志向した社会保障制度の再検討(特に医療制度)等が必要」と発信。

 予備費10兆円について「官の一貫した価値観は公平性と公正性ですが、現下の非常時にあっては迅速性と簡便性がそれに勝るのであり、その責任を負うことこそが政治の役割であることを十二分に承知した上で、(財政民主主義の観点から議論の余地があると)そのように考えております」と議論の必要を提起。

 社会民主党の吉田忠智幹事長も10兆円の予備費について「財政民主主義や国会の予算審議権、予算の事前議決原則との関係も踏まえ、使途や規模の妥当性について十分な検討が必要」との談話を発表している。早期成立は求められるが、10兆円を巡っては国民も納得のいく議論が必要。(編集担当:森高龍二)

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