コロナ対策、暑さ対策

 肌着用の通気のよい生地を使う。涼感を得られるようキシリトールを生地に混ぜる。内側に保冷剤を入れて使う。過去にない「夏マスク」をもうじき売り出すと、衣料品大手などが相次いで表明している▲マスク生産に異業種が乗り出し、手作りマスクを着ける人もぐんと増えた。ひと頃の品不足はほぼ収まったが、この先は「コロナ対策」と「暑さ対策」、二つを備えたマスクの出番らしい▲先ごろ、熱中症対策に詳しい三宅康史・帝京大病院高度救命救急センター長の提言が紙面に載った。これから私たちは初めて「マスクが手放せない夏」を経験するが、暑い時分にマスクをすれば息が荒くなり、体に熱がこもりやすくなるらしい▲エアコンをうまく活用する、水分を小まめに補給する、休憩を増やす。夏もマスクを着用しつつ、なるだけ体を冷やして過ごそう、と三宅氏は言う▲いまクールビズの最中という所も多いだろう。程よい室温で、程よい軽装を。15年間、環境省が夏の適度な過ごし方を提案してきたが、5~9月としてきた期間の設定を今年でやめるという。この先は自治体や企業の判断に委ねる▲夏の過ごし方を自分たちで考え、工夫すべき時らしい。夏マスクをどうする? マスク生活と暑さ対策をどう両立させる? 「新しい様式」を探る夏が近い。(徹)

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