普賢岳大火砕流を振り返る写真展 島原・雲仙岳災害記念館 7月5日まで

大火砕流が発生する前の消防団活動を撮影した写真などを整理する学芸員=島原市、雲仙岳災害記念館

 43人が犠牲となった雲仙・普賢岳大火砕流から3日で29年。島原市消防団の活動や噴火災害の様子を記録した写真を展示する「災害から29年~あの時を振り返る写真展」が2日、島原市平成町の雲仙岳災害記念館で始まる。7月5日まで。
 3日の「いのりの日」に向け、記憶の風化が進む噴火災害の記録の掘り起こしと継承を目的に、同記念館が企画。ホームページなどで写真提供を呼び掛け、200点以上が寄せられた。
 会場には、煙を上げながら流れ下る大火砕流や夜に閃光(せんこう)を放つ溶岩ドーム、島原城の上空に迫る噴煙を写した写真など約70点が並ぶ。その中には、12人が犠牲となった市消防団の活動を写したものもある。
 避難勧告が出された地域の見回りや火砕流到達点で湯気が上がる火山灰の温度測定など、命懸けで活動する団員を収めた6点は、報道関係者から寄贈を受けた消防団員の遺族が提供したという。大火砕流の前、消防車が巡回する様子の写真も含まれている。


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