免許返納のきっかけに 藤沢で高齢者の運転考える講演会

認知症の症状を分かりやすく説明する小田医師=藤沢市役所

 高齢者ドライバーによる交通事故が社会問題化する中、高齢者の自動車運転を考える講演会が18日、藤沢市役所で開かれた。藤沢署員と医師が高齢者の免許更新や返納、認知機能の問題などについて細かく説明し、参加した高齢者やその家族ら約40人が理解を深めた。

 市と市交通安全対策協議会が初めて主催。高齢者の認知機能と自動車運転との関係を理解することで、免許返納を考えるきっかけづくりにしてもらおうと企画された。

 講演会では、同署の交通課員が高齢者の免許更新制度について説明した。管内でも昨年は1200人近くが免許返納したことを紹介しながら、「運転する人は常に危険を予測しながら運転してほしい」と呼び掛けた。

 続いて、認知症に詳しい横浜市立大医学部客員教授の小田清一医師が認知機能と車の運転について講演。「認知機能が低下する最大のリスク要因は年齢だが、日々の生活習慣で予防できる。一番は体力増強と脳細胞の活性化だ」「高齢者に大事なのはキョウイク(きょう行くところがある)とキョウヨウ(きょう用がある)」などとユーモアを交えてアドバイスした。

 講演会後には事前予約制の相談会も行われ、関係者が対応した。講演を聞いた男性(70)は「今のところ運転に問題はないが、もし認知機能が衰えたら自分も返納すると思う。きょうの講演を参考に、認知症予防に努めたい」と話していた。

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