写真：「卓球は人をつなぐ」Rallys/提供：西泰宏
緊急事態宣言が解除され、少しずつ日常が戻りつつある中、今もなお新型コロナウイルスの感染予防は必須のテーマだ。
卓球界では、卓球台・卓球用品を製造、販売している三英(SAN-EI)が26日、経済産業省等において公開された資料に基づき、卓球台の除菌⽅法についての情報及び実験内容をまとめた資料を公開した。
今回は、株式会社三英取締役TTF工場長の吉澤今朝男氏に電話取材した内容も踏まえ、卓球台の除菌方法を紹介する。
卓球台は台所⽤洗剤（⾷器⽤洗剤）を使⽤した除菌がお勧め
卓球場や地域の体育館が開くにつれ、プレーを再開する卓球人も増えていくことだろう。プレーヤーが共同で使用する卓球台の除菌は、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためには気を付けたい部分だ。
株式会社三英取締役TTF工場長の吉澤今朝男氏は「卓球台の除菌には台所⽤⾷器洗剤を使⽤した除菌がお勧め」と語る。
三英では、3月末頃から卓球場経営者や自治体の体育館の管理者らから問い合わせを受け、卓球台に最も適した除菌方法は何かを探っていたという。
写真：卓球台除菌の実験/提供：三英
5⽉22⽇付の経済産業省の発表によると、複数の界⾯活性剤が、新型コロナウイルス消毒に有効と判断されている。そこで、三英はそれらを原材料とする洗剤などの中で、卓球のプレーに影響がない、つまり卓球台を傷めないという観点で実験を行った。そのため、菌の完全除去について確認したものではないという点は注意していただきたい。
写真：摩擦係数を計測し、台の表面の荒れを調査。プレーに影響がないかを考慮。/提供：三英
「除菌したことで、滑る滑らないなど摩擦面や卓球台の塗装がはがれないかなど、卓球のプレーに影響があるのかに注意して実験した」（吉澤氏）と、三英では、住宅・家具⽤洗剤、台所用食器洗剤による比較を行った。その結果、卓球台天板表⾯を傷めないのは「台所用食器洗剤」であるという結論に至った。
また、吉澤氏は、手の消毒用アルコールで卓球台を拭くことに関して、「古い卓球台では台の表面を傷めることになってしまうため推奨しない」とコメントしている。
「安全で清潔に卓球を楽しんでいただきたいという気持ちでこの資料を出させていただいた。台の除菌は、卓球台使用者が交代する都度やるのが効果的で、安全ではないだろうか」（吉澤氏）。三英は、今後も湿度や気温の変化などに応じた内容の政府からの発表があれば、より良い方法に随時更新していく予定としている。
卓球を心から楽しむためにも、卓球場管理者や各プレーヤーが感染予防を意識していきたいところだ。
三英によるおすすめの卓球台の除菌方法
①水500mlに台所用食器洗剤を小さじ0.5～1杯（2.5～5g）入れ、希釈した洗剤うすめ液を作成する
②卓球台の表⾯を傷つけない布、ティッシュペーパー、ペーパータオル（柔らかい清潔なもの）に浸透させ、対象物において⼀定⽅向に拭く
※⼀定⽅向に拭く＝円を描くなどにすると菌が再度広まる可能性がある
※スプレーなどによる塗布は菌を拡散させる恐れがあるので好ましくない
③作業後は直ちに⽔を湿らせ固く絞った清潔な布などで表⾯を拭きあげ、その後、清潔な布などでからぶきをする
※⽔拭きしないと、後述する塩素系の除菌剤を⽤いた⽅法を⽤いた場合、特に⾦属部分が腐⾷する可能性あり
注意点
・アルコール（エタノール）系は卓球台天板表⾯を荒らす恐れがある事より使⽤しないこと
・いずれの場合も原液での使⽤はしないこと
・作業終了後は、アルコール溶液・⽯鹸などで⼿・指を洗い保湿すること
・菌の完全除去について確認したものではなく、除菌方法と卓球台への影響を調べたものである
文：ラリーズ編集部
