「無法地帯化」懸念 海水浴場中止の藤沢市、県に対策要望

藤沢市の片瀬東浜(資料写真)

 今夏、藤沢市内の片瀬西浜・鵠沼、片瀬東浜、辻堂の3海水浴場の開設が中止になったことを受け、同市は2日、海岸管理者の神奈川県に対し海水浴場エリアの安全確保に関する要望書を提出した。具体的な対策の提示について「県には対応方法を早急に決定し、明らかにしてもらいたい」と、早期回答を求める異例の申し入れとなっている。

 要望書では、海水浴場開設者の3組合は「長年、海水浴場の安全・安心につながる取り組みを進めてきた」と指摘。例年、7月1日に海水浴場が開設されていることを踏まえ、「一刻の猶予もない。県には、海岸管理者として適切かつ主体的な対応を求める」としている。

 3組合は6月1日、鈴木恒夫市長に開設中止を報告。併せて「海岸が無法地帯となってしまうことが懸念される」として、県に安全・安心な海岸を維持するための対策を講じるよう働き掛けることを要望していた。

 県は海水浴シーズンを前に、新型コロナウイルス感染防止策ガイドラインを海水浴場開設者に示しており、市は「(ガイドラインを踏まえ)各組合が苦渋の選択をした以上、海水浴場を開設しない場合の共通ルールも示すべきだ」としている。

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