獣姦禁止、屍姦禁止...ブッダが定めた生活規則の異様。まったく新しい仏教の姿『怖い仏教』。

「阿弥陀女子」に「御朱印ガール」、 「イケメン仏像ランキング」など、 若い女性の間で寺ブームが巻き起こっている。 最近は、 お寺独自のグッズが充実していて、 カワイイものからクールなものまで、 実にさまざまです。 パワースポットブームの延長として、 お寺に漂う凛とした空気に癒されたり、 改めて自分や周りを見つめ直すきっかになったりする点も、 魅力なのかもしれない。

仏教といえば、 「悟りをめざす清らかな教え」というイメージを持っている人が多いだろう。 ところが、 仏教の聖典をひもとくと、 今まで抱いていた印象が一変するに違いない。

«人間のみならず、 動物と性交をおこなった修行者は教団から追放される» これは「律蔵」という仏典の冒頭に登場する条文。 同じく、 こんな文章も並んででてくる。 «女の口、 小便口、 肛門を犯した修行僧は教団から追放される» 性器の挿入を禁じる女性の部位をあげたものだ。さらに、 「律蔵」の文章はつづく。«女の死体のなかで腐乱せずに残っていた口、 小便口、 肛門を犯した修行者も追放される。 » 一読して明らかなとおり、 屍姦に関する条文だ。

一般の人間には、 法要で読まれる「般若心経」などの経典がなじみのあるものだが、 この「エログロ」エピソード満載の生活規則集「律蔵」こそが、 仏教の真実、 ありのままを伝える第一級の資料なのだ。

仏教の背後を探っていくと、 そこには「人間臭い危険なドラマ」と「性にまつわる大騒動」が渦巻いていた。 本書では、 作家・仏教研究家の著者が、 興奮と驚きに満ちた仏教の原風景に読者を導く。 日本人の知らない仏教がみえてくる一冊だ。

内容の一部

ブッダの出産伝説に隠された秘密

ブッダの怪しい履歴

仏教はもともとインドの戦国乱世の教え

ブッダには第二、 第三夫人がいた!?

カルト教団の教祖だったブッダ

弟子の不祥事の大半は下半身問題

欲望に負けてメス猿と交わった修行者

ブッダの遺言を無視した日本仏教

«ブッダの出家が死への不安を引き金としていたように、 仏教と死とは本来切っても切れない関係にあります。 ブッダが「生死へのとらわれ」の克服を説くとき、 「生へのとらわれ」を代表とするものとみなされたのが性的な欲望でした。 仏教の「本質」は、 「生死へのとらわれ」を超越した、 悟りすました境地を語る言葉に耳をかたむけるだけでは伝わりません。 そうした境地を得るための格闘、 そこに生まれる「失敗事例」をみるなかで初めて、 仏教のリアル、 したがって「ありのままの本質」は現われる――本書で古代インドの仏弟子たちがこれでもかと演じた性にまつわる大騒動、 悲喜劇の跡をたどりながらわたしがあらためて実感したのもそのことでした。 »

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