危険運転を否認 時速146キロで4人死亡 元会社役員

一昨年、三重県津市の国道を時速146キロで走行し、タクシーに衝突して運転手と乗客4人を死亡させたとして、危険運転致死傷の罪に問われている元会社役員の男の初公判が2日に津地方裁判所で開かれました。

男は、危険運転にはあたらないと主張しました。

危険運転致死傷の罪に問われているのは、津市白山町の元会社役員、末廣雅洋被告(57)です。

起訴状などによりますと、末廣被告は一昨年12月、津市の国道23号で制御が困難な時速約146キロで乗用車を運転し、国道を横切ろうとしたタクシーと衝突しました。

運転手と乗客あわせて4人を死亡させ、乗客1人に大ケガを負わせたとされています。

初公判で末廣被告は、事故を起こして被害を与えたことは認めたものの、速度については認識がなく「制御できなかったとは思っていない」と話し、危険運転にはあたらないと主張しました。

弁護側も、道路の形状など物理的な道路状況からも制御が困難であったとは言えず、危険運転致死傷罪は成立しないと主張しました。

一方、検察側は冒頭陳述で、現場の国道付近には飲食店の駐車場などが多く、他の車が前方に進出してくる可能性が高かったと指摘し、末廣被告は天候が悪化する前に急いで帰宅しようとして、8秒間に約70キロ加速するなど制御が困難な速度であることを認識していたと主張しました。

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