「波力発電」世界初実用化へ 平塚で実証実験スタート

平塚市と東京大学が設置した波力発電所(同市提供)

 小さな波の力で発電する波力発電の実用化に向け、平塚市と東京大学生産技術研究所(東京都)などが平塚新港(同市千石河岸)に発電所を設置し、4月から本格的な実証実験をスタートした。両者は3日、オンラインで記者会見を行い、「世界に先駆け、今後10年を目標にした波力発電の実用化を目指す」と意気込みを語った。

 新たな波力発電所は2月、新港の防波堤から約20メートルの海上に建屋(約100平方メートル)を設置。幅8メートルの波受け板が受けた波の力を利用して発電機を回転する仕組みで、高さ1.5メートルの波で45キロワットの発電を目標とする。

 岸壁の手前に設置することで押し寄せる波だけでなく岸壁から跳ね返る波の力も利用し、発電効率を向上させている。波受け板には軽量なアルミとゴムの複合部材を採用し、強い波でも一部のエネルギーを逃すことで安全性を確保する。

 実証実験は1年かけ発電量などのデータを集める。

© 株式会社神奈川新聞社