室内ドアリフォームの費用相場は?洗面所・押し入れなどのリフォーム注意点も紹介

毎日使用するドアは、傷付いたり、汚れがついたりと日々劣化していきます。「そろそろドアを変えたい」「リビングのリフォームと同時にドアも変えたい」と思った時、ドアのリフォームはどうするのが適切でしょうか?

《目次》- 室内ドアリフォームの費用相場は?

室内ドアリフォームの費用相場は?

一般的な室内のドアリフォームには、

・ドアの表面の画材の交換
・ドアのみの交換
・ドア&ドア枠の交換
・ドアの開き方を変える

おもにこの4つの方法があります。

ドアのリフォームは基本的に1日~2日程度の工事で終了するため、比較的手軽にできるといえるでしょう。とはいえ、3万円程度のものから50万円以上かかるリフォームもあるので、適当には決められません。

ドアの表面の画材を変えるだけ

ドア表面の画材の交換費用は、約3万~6万円前後で、ドアのリフォームのなかでは最もリーズナブルです。廊下、リビング、トイレに使用されている木目調のドアは、ドアの下地の表面に木目などの画材(または化粧板)が貼られているものがあります。これを剥がして新しいものに張り替えるだけで、ドアの表面が新しくなるため、扉に傷や汚れがついた時、部屋の壁紙を変えた時に行うリフォームとしておすすめです。

また、ドア本体や枠を交換するよりもリフォーム費用を抑えられるといったメリットがあります。表面をおしゃれにするだけであれば、ホームセンターなどで販売されている壁紙シールを貼って、好きな模様に変えるのもいいかもしれません。

ドアのみ交換

ポップな赤色が印象的で可愛らしいドア。シンプルな白い壁なら派手な色のドアも合わせやすい

ドアのみの交換は、約5万~15万円前後が相場ですが、交換するドアの種類によっては20万円以上になるケースもあります。相場費用に大きく差が出る要因としては、どのようなドアに変えるか、どのような場所にドアを付けるかによって扉の本体価格や工賃が異なるからです。

バリアフリー目的でドアを変えたいのであれば、ドアノブをレバー式に取り替えるなどを併せて行うのがおすすめです。また、ドア枠を変えない時は、新しいドアとドア枠の色味が合わずに違和感が出てしまう時があるので、色選びはじっくりと行いましょう。

室内のドアの交換はDIYで対処する方もいますが、ドアの重量や安全性を考慮すると、できるだけ工務店やリフォーム会社に依頼するのがおすすめです。ドアの交換経験のない方は控えたほうが無難といえるでしょう。

ドア&ドア枠交換

ドアとドアの枠を一緒に交換する時の費用は、約10万~30万円前後が相場です。工事期間は1日以上かかることもあり、ドアのリフォームでは大規模な部類といえるでしょう。ドアの枠も交換するため、他のリフォームよりも手間と時間がかかり、そのぶん費用が高額になります。

ドアだけではなく、壁やドア周りが経年劣化している時や傷付いている時は、ドア枠ごと交換するのがおすすめです。リフォーム費用は高額となってしまいますが、ドアだけを交換するよりも違和感がなく、壁や周囲のインテリアと雰囲気を合わせやすい、ガラッと印象を変えられるなどのメリットがあります。

一方で、ドア枠交換の際に壁紙や壁そのものに影響が出やすく、壁紙が傷付いたり剥がれたりする可能性が高いといったデメリットがあります。もともとの壁紙と似たような壁紙で補修することはできますが、うまく補修しなければ色味が異なるなど、違和感が出てしまうかもしれません。

壁紙のリフォームをするついでにドア枠も交換する、といったリフォームの時は問題ありませんが、ドアと戸枠のみをリフォームする場合は、業者とよく相談して、あとから不満が出ることのない作業をしてもらいましょう。

開き方を変える

ドアの開き方を変えるリフォームには、開き戸の開く方法(外開き・内開き)を変えることと、開き戸から引き戸にまたはその反対などの扉の種類・開閉方法を変えることの2種類があります。

まず、開き戸の扉を開く方向を変えるリフォームの費用は、5万円前後であることがほとんどです。ただ左右を入れ替えるだけのように感じますが、ドアを取り外し、ドアを支える蝶番やストッパーを付け替える作業が必要となるため、工務店、建具屋、リフォーム会社に依頼しましょう。

次に、開き戸を引き戸にといった扉の種類と開閉方法を変えるリフォームの相場は、約10万~50万円前後と、高額なリフォームとなります。開閉方法を変更するリフォームは、室内をバリアフリー化するために行うことが多く、車いすや歩行器が使用できるように、開口部を大きく利便性を高める工事です。

他のリフォームよりも高額になるケースがある理由として、枠やレールを取り付けること、壁を壊す必要がある時は、大規模な工事になるからといえるでしょう。バリアフリー化を目的としたリフォームであれば、お住まいの自治体の補助金制度などを利用できる可能性があります。高額なリフォームの場合は、役場で相談するとリフォーム費用を抑えるための手段といえるでしょう。補助金制度を検討している時は、リフォームを行う前の見積もりを取る段階で行うのがベストです。

室内ドアの種類と特徴

ここでは、扉の開閉方法と特徴を紹介します。それぞれのメリットとデメリットも解説しますので、リフォームしたい場所と照らし合わせながら、どこにどんなタイプが合うのかチェックしてみましょう。

引き戸

開放感のあるガラスの引き戸は部屋を広く見せる効果も

引き戸とは、扉をスライドして開閉するタイプです。メリットは、開閉時に邪魔にならないこと、前後の移動がなくそのぶんのスペースが必要ないこと、車いすなどバリアフリーに対応しやすいことなどがあります。

デメリットは、扉を引き込むスペースが必要となり、設置できる場所が限られてしまうことです。そのため扉を引き込むスペースには、電気スイッチやコンセントの設置ができないので、これを考慮したうえでリフォームをする必要があるでしょう。

開き戸

開き戸とは、最もスタンダードな扉であり、玄関、トイレ、廊下から居室へ入る時の扉など、家のさまざまな場所で使用されています。

開き戸のメリットは、引き戸より機密性が高く、部屋の気温が保ちやすい、音漏れがしにくいことなどがあります。冬場にリビングで暖房をつけている時、リビングと玄関の間の扉が引き戸の場合、温かい空気を逃しやすいため、開き戸のほうが快適な室温で過ごせるでしょう。

デメリットは、扉を開いた時に人にぶつかる可能性があるため、人が多く出入りする場所への設置が向いていないことがあります。一般的な住宅ではこのような危険はあまりないかもしれませんが、人が行き来する公共施設などでリフォームする時などは念頭に置いておいてもいいかもしれません。

折れ戸

折れ戸とは、おもにクローゼットなどの収納スペースや風呂場、トイレで用いられる、扉を中折りにして開くタイプです。折れ戸のメリットは、開閉時の前後スペースが小さいため、廊下やトイレなど狭い場所へ設置することで、邪魔にならずわずらわしさを軽減できます。

デメリットは、扉を完全に開くことができないため、大きなものを持ち運ぶ時などに不便を感じる可能性があることです。どのようなスペースに取り付けるかにより、省スペースを優先するか、利便性を優先するかなどをしっかりと考えたうえでリフォームをしたほうがよいでしょう。

片開き

片開きの扉には、引き戸・開き戸の2種類があります。引き戸の片開きタイプは、左右のどちらかに扉をスライドするスタンダードなタイプです。メリットは、機密性の高さ、空気の入れ換えなどで扉を開きっぱなしにできることがあげられます。デメリットは、扉を引き込むスペースが必要であることです。

開き戸の片開きタイプは、ドアのなかで最もよく使用されているタイプであり、リビング、トイレ、玄関などさまざまな場所で用いられています。メリットは、引き戸よりも機密性が高いことがあり、上記で紹介した開き戸と同様です。デメリットは、階段を上った先にすぐ開き戸があると、落下してしまう危険性があることです。

上記で紹介した開き戸と同様のデメリットではありますが、このようなケースでは片開きの開き戸が設置されていることが多いため、リフォームの際の階段付近への開き戸設置は、できるだけ控えたほうがよいでしょう。

両開き

両開きの扉にも、引き戸・開き戸の2種類があります。両開きの引き戸タイプは、和室の襖やリビングなどで使用されることが多い扉です。

メリットは、換気のために少しだけ開ける、空気の入れ換えで前回にするなど、開閉の調整がしやすいことが挙げられます。デメリットは、片開き同様に戸を引き込むスペースが必要であることです。両開きとなると、戸の左右に引き込むスペースが必要となり、片開き以上に設置場所を考えなければいけないでしょう。

両開きの開き戸タイプは、観音開きと呼ばれることもあり、クローゼットなどの収納スペースで使用されることがあります。メリットは、扉を広く開放できることから物が出し入れしやすいこと、内部が見えやすいなど。デメリットは、扉の前のスペースを左右2枚分確保する必要があるため、クローゼット前には物が置きづらいことが挙げられます。

場所ごとにおすすめの室内ドアリフォームは?費用はいくら?

ここでは、それぞれの部屋におすすめの扉とリフォーム費用の目安を紹介します。長年使用しているドアですが、開き方を変えたり、ドアの種類を変えたりするだけでも、生活が一気に快適になることもあります。最近では、断熱材が充填された機能性の高い玄関ドアも発売されているので、一緒にリフォームすれば、室温を快適に保ちやすくなります。

押し入れ

押し入れやクローゼットなどの収納スペースで使用されるのは、引き戸・折れ戸です。ドアの素材には、押し入れは襖、クローゼットは合板や集成材などの木の下地に木目などのシートを張った、樹脂シート仕上げまたは化粧シート仕上げの扉が使われます。

リフォーム費用は、押し入れの襖が1枚1万~2万円前後、クローゼットの扉が引き戸で約10万~20万円前後、折れ戸で約10万~15万円前後がおおよその相場です。

襖は、汚れや破れなどが発生することがあるため、このような時は、業者に依頼もしくはDIYでメンテナンスが必要となります。折れ戸のクローゼットでは、床にレールのない上吊りにすると、隙間にゴミが入りにくく便利なので、床のレールの有無についても併せて検討しましょう。

風呂

風呂場の扉では、引き戸・開き戸・折れ戸どのタイプでも使用できます。ドアの素材には、樹脂パネルや、透けて見えないすりガラスのものがおすすめです。

引き戸は、前後にスペースを作る必要がなく、出入り口が広くバリアフリーでも使用されており利便性が高い一方、レールの掃除は少し面倒に感じるかもしれません。引き戸に交換するリフォーム費用の相場は、約10万~15万円前後です。

開き戸は、レバーのドアノブにすれば子どもや高齢者でも力を入れずに開閉できます。扉の開閉するスペースが必要なことから、脱衣室が狭い時には不便に感じるでしょう。開き戸に交換するリフォーム費用の相場は、約5万~10万円前後です。

折れ戸は、開閉しやすいこと、開口部が広いことがある一方、開き戸や引き戸と比べて故障しやすい、引っ張る力が必要であるといったデメリットがあります。折れ戸に交換するリフォーム費用の相場は、約8万~15万円前後です。

洗面所

洗面所は清潔感があり、おしゃれに見える白色の扉が人気。洗面台の色に合わせると、まとまりのある印象に

洗面所の扉では、多くの場合、開き戸・折れ戸のどちらかが使用されており、ドアの素材は、樹脂シート仕上げまたは突き板仕上げのものが多く用いられています。突き板仕上げとは、合板などの木の下地の上に、薄い木材の板を張り付けて塗装で仕上げたものです。

開き戸の場合、洗面所の内側に扉が開く形になっていると、洗面台に扉があたる、または中にいる人にあたる、などの問題点が出てくるため、扉のタイプはよく検討しましょう。開き戸のリフォーム費用は、約10万円前後、折れ戸の場合は約15万円前後です。バリアフリー化を目的としている場合は、力を入れずに開閉しやすい引き戸へのリフォームを検討してもいいかもしれませんね。

トイレ

トイレの扉は、上記で紹介している、洗面所同様の特徴があります。車いすの片や力が入りにくい方、段差がないほうが利用しやすいこともあり、リフォームの際に引き戸に変更するのもおすすめです。

リフォーム費用は、開き戸10万円前後、折れ戸15万円前後、引き戸10万円前後が相場ですが、鍵やドアノブ、ドアの素材を変更することで値段が大きく変動することがあるでしょう。

廊下

廊下の扉は、開き戸もしくは引き戸が一般的で、扉の素材は樹脂シート仕上げや突き板仕上げのものが用いられています。機密性、防音性を考慮すると開き戸がおすすめですが、扉の開閉のしやすさなども考慮して、開き方を選びましょう。リフォーム費用は、開き戸・引き戸ともに10万円前後です。

和室

和室の扉、間仕切りのリフォームでは、襖を新調する方法や、開き戸もしくは引き戸にする方法があります。襖を新調する際には、1枚あたり1万~2万円前後、開き戸・引き戸にした時は10万円前後がかかります。

また扉を撤去したい時は、襖を外して壁にするリフォームもできるので、こちらを検討してみてもいいかもしれません。

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