中古マンション購入の流れ。失敗しないためのチェックポイントや必要な期間は?

中古マンションを購入する際は、大まかな流れを把握しておくと安心です。中古マンションを購入してから、入居をはじめるまでの間には、契約や住宅ローンの融資、リフォーム、引き渡しから引っ越しまで、さまざまな手続きが必要になります。それぞれの流れを把握し、事前に準備を行うことで、スムーズに進みます。

この記事では、中古マンション購入から入居までの流れについて説明します。途中でのトラブルを防ぐために、しっかりと中古マンション購入の流れを理解しておきましょう。

《目次》- 中古マンション購入の全体の流れを把握しよう

中古マンション購入の全体の流れを把握しよう

中古マンションを初めて購入するとき、まったく流れを知らずに、さまざまな手続きを行うのは不安になります。とくに資金については、流れをしっかり理解しておかないと、途中で資金不足になってしまう可能性もあります。

まずは、中古マンション購入の大まかな全体の流れについて解説しますので、スムーズに進めるために、よく把握しておきましょう。

中古マンション購入までの流れは、

「資金計画」→「物件探し」→「購入申し込み」→「売買契約・手付金交付」→「住宅ローンの申し込み」→「住宅ローンの契約」→「リフォーム・リノベーション工事」→「決済・引き渡し」

になります。

中古マンションを購入する場合、主に取引を行うのは、物件を取り扱う「不動産会社」、住宅ローンに関わる「金融機関」、リフォームに関わる「リフォーム業者」の3社です。

物件にもよりますが中古マンション購入までの期間は、1ヶ月〜3ヶ月くらいが一般的です。物件選び中に住宅ローンの事前審査の申し込みを並行して行うこともあります。住宅ローンの審査が下り、契約までの手続きに1ヶ月ほどかかることもあるため、期間には余裕を持っておいたほうがよいでしょう。続いて、中古マンション購入までのそれぞれの流れについて、詳しく解説していきます。

資金計画の流れと注意点

まず、購入する中古マンションの予算やリフォーム費用や諸経費などを考慮しながら、資金計画を立てます。

購入したい中古マンションの価格は、「頭金」+「住宅ローン借入額」−「諸経費」−「リフォーム費用」で、大体の価格が算出できます。

人生には予期せぬさまざまなイベントが起こるため、無理のない、ゆとりのある資金計画を立てることがポイントです。年収から、どれくらいの住宅ローンの融資が可能なのか、月々の支払額がどれくらいなのかなども、しっかりと考えながら資金計画を立てましょう。

中古マンション物件価格の10%〜20%ほどの頭金も必要となります。この頭金は、契約するときの手付金や、仲介手数料やローン保証料といった、諸経費を支払うためのものです。また、頭金は買主の預金から支払うお金になります。頭金なしで、諸経費なども住宅ローンで支払いができるフルローンもありますが、審査が厳しかったり、金利が少し高かったりするため、注意が必要です。

住宅ローン借入額は、年収の5〜8倍、諸経費は中古マンション価格の5〜10%程度となっています。リフォーム、リノベーションを行う場合は、どれくらい行うかにもよりますが、全面リフォーム、リノベーションだと、500万円以上の費用が必要になります。

物件探し・内見・契約の流れと注意点

無理のない資金計画が立ったら、物件探しです。インターネットで中古マンション物件を探したり、不動産会社に行って紹介してもらったりして、気になる物件をしぼっていきます。あまり数が多すぎると、見学するのが大変になってしまうため、3〜4件程度にしぼりましょう。

その後、実際に気になる中古マンションの見学に行きます。不動産会社を通じて、売主であるオーナーの都合のよい日程調整を行い、室内を見学します。

中古マンション購入の場合は、まだ室内に居住しているケースも多く、しっかり内見ができないこともあります。また、オーナーが同席していると、細かなところのチェックがしづらいということもあるでしょう。その場合は、不動産会社にお願いして、オーナー不在時に内見させてもらうようにします。

購入申し込みまでの流れ

いくつか中古マンションの物件を見学し、いいなと思う物件があれば、この時点で住宅ローンの事前審査、リフォーム費用の見積もりなどを依頼します。

住宅ローンの事前審査は、個人信用情報機関と自己申告内容により行われる簡単な審査です。だいたい、3〜7営業日で審査結果が出ます。住宅ローンの借入額が増えるほど、審査が厳しくなりますが、あまり少なく申告すると、購入の流れの途中で、資金が足りなくなってしまうこともあるため、注意しましょう。

中古マンションをリフォームする場合は、その費用も並行して見積もりしてもらいます。リフォーム業者に購入予定の中古マンションの室内を見てもらい、見積もりを行います。リフォームの見積もりは、5〜7営業日ほどで完成します。リフォームする場合は、依頼する住宅ローンが、リフォーム費用も含めることが可能かどうかの確認を忘れずに行なってください。

その後、中古マンション購入の申し込みを行います。中古物件は、基本先着順であるため、人気の高い物件の場合は、先に申し込みをしておきましょう。申し込み後にキャンセルをしたとしても、違約金の支払いなどは一切ないので、安心してくださいね。

中古マンションの申し込みを行うことで、購入する意思があることを売主に示し、場合によっては、価格交渉が可能になることもあります。価格交渉が成立した場合は、常識的に考えてキャンセルするのはやめましょう。

申し込みの時点で、中古マンション物件の引き渡し日を指定しなければいけないケースもありますが、住宅ローンやリフォームの期間を考慮し、2ヶ月ほどは余裕を持って申告しておくのが無難です。

売買契約の流れ

不動産売買契約書は記載内容に誤りがないか、不明瞭な点がないかしっかり確認しよう

購入申し込み後、だいたい1週間くらいで売買契約となります。不動産会社、売主と買主が対面し、購入物件や取引条件など、重要事項について説明を行います。双方が十分に納得したうえで、署名・捺印をし、契約を交します。

契約時に、手付金や仲介手数料の半分を現金で支払いしなければならないケースもあります。手付金については、その金額がさまざまであるため、事前に不動産会社に確認しておくようにしましょう。

不動産売買契約が成立すると、基本的にキャンセルはできず、キャンセル時は違約金が発生します。そのため、購入する中古物件について、きちんと理解したうえで、売買契約を結ぶようにしてください。

売買契約が成立したら、すぐに住宅ローンの本審査が行われます。住宅ローンの本審査時は、住民票、印鑑証明、所得証明、売買契約書のコピーなど、たくさんの書類が必要となるため、前もって準備しておくとスムーズです。本審査の結果が下りるまでは、2〜3週間程度日数がかかります。

なお、住宅ローンの審査が下りなかった場合は、契約をなかったことにすることができる解除条件の記載があるため、契約内容はしっかりと確認しておきましょう。住宅ローンの審査が下りなかった場合でも、解除条件の期限を超えて契約を破棄すると、売買価格の10%前後の違約金を売主に支払わなければなりません。また、解除条件の期限前に自己都合により、契約を破棄しても違約金が発生することはありませんが、支払い済みの手付金は戻ってきません。

住宅ローンの流れと注意点

売買契約が成立したら、次は住宅ローンの契約手続きです。住宅ローンの本審査が下りたら、金融機関に行き、住宅ローンの契約をします。

契約時に必要な書類には、

・源泉徴収票
・課税証明書
・売買契約書
・重要事項説明書
・物件に関する資料
・登記簿謄本
・印鑑証明書
・住民票
・本人確認書類

などがあります。金融機関により、必要書類が異なるため、事前に確認しておきましょう。

住宅ローンの本審査の結果が出るまで、1〜2週間であることもあれば、1ヶ月ほどかかることもあります。必要書類を提出すれば、あとは審査結果が出るのを待つだけです。住宅ローンの審査に通過したら、融資が実行され、決済・引き渡し手続きに入ります。

決済・引き渡しは、不動産会社か、住宅ローンを契約した金融機関のオフィスで行われます。売主、買主、不動産会社、金融機関の住宅ローン担当者のほか、登記を行う司法書士も立ち会います。決済当日に行われる手続きには、「登記手続きの委任」「融資の実行」「売買代金の支払い」「諸費用の支払い」「固定資産税、管理費、修繕積立金の支払い」「管理規約、住宅設備説明書などの書類の受け取り」「鍵の受け取り」などがあります。

必要なものは、

・印鑑
・印鑑証明書
・本人確認書類
・住民票
・住宅ローンを結んだ金融機関の通帳
・届け印
・手付金を差し引いた売買代金
・仲介手数料
・登記費用などの諸費用
・固定資産税、都市計画税
・管理費
・修繕積立金の精算金

などです。さまざまな手続きが行われるため、1〜2時間ほど時間を要します。固定資産税や都市計画税については、日割りで精算されます。

諸費用や精算金、管理費などは当日現金で支払わなければならないため、事前に金額を確認して、お金の準備をしておきましょう。マンション売買で行われる登記手続きは、「所有権移転登記」と「抵当権設定登記」のふたつです。

決済・引き渡しが完了すると、司法書士により、登記申請が行われます。登記手続きがすべて完了したら、中古マンション物件は、無事にあなたの所有する物件ということになります。

リフォーム、リノベーションの流れと注意点

購入した中古マンションのリフォームやリノベーションを行う場合は、売買契約に入る前のタイミングで、だいたいのリノベーション計画を立てておくとスムーズです。

購入までの流れの売買契約と住宅ローンの申し込みの間に、リフォーム、リノベーション工事の請負契約が行われます。最近は、リフォーム、リノベーション費用も含んだローンが組める住宅ローンも増えてきており、すべてまとめて借りることができ、大変便利です。

しかし、リフォーム、リノベーション費用もまとめて住宅ローンに含める場合は、住宅ローンの本審査までに、リフォーム、リノベーションに必要な明確な費用を出しておかなければなりません。そのため、物件探しの段階で、並行してリフォーム、リノベーションプランを行なっておくと、流れがとてもスムーズになります。また、売買契約のときに大まかなリフォーム、リノベーションプランが決定していると、住宅ローンの本審査もスムーズに進みます。

リフォーム、リノベーション工事開始

スケルトンリフォームの場合、費用相場は坪単価20~50万円から

中古マンションの所有権が移転され、融資実行がされれば、リフォーム業者へ手付金交付後、リフォーム、リノベーション工事がはじまります。リフォーム、リノベーション工事が開始されると、リフォーム業者から、仕入れた材料の費用を途中で請求される中間金が必要なこともあります。

中古マンションで、リフォーム、リノベーション工事を行う際は、工事着工までにマンションの管理組合にリフォームを行う旨の申請をしなければなりません。場合によっては、近隣住人の同意書が必要なこともあるため、事前に管理組合に確認しておくようにしましょう。

中古マンションのリフォーム、リノベーションでは、建物の構造や管理会社の規約により、リフォーム、リノベーション内容に制限がかかることもあります。リノベーション目的の中古マンションを購入するときは、内見時にリフォームの専門家などに確認してもらうと安心です。

リフォーム、リノベーション工事が無事完了したら、しっかり内装を自分の目でチェックしましょう。理想していたのと違うということのないよう、リフォーム、リノベーションの途中で、何度か確認するとよいでしょう。

融資実行日は、数回に分けることが可能であるため、リフォーム、リノベーション工事が完了したら、残りの代金を支払い、残金処理を行います。

住み始めるまでの流れと注意点

中古マンション購入の手続きがすべて済み、リフォーム、リノベーションも完了したら、いよいよ引っ越しです。まずは引っ越しする日にちを決めましょう。引っ越しの準備には、荷物の整理以外にも、さまざまな手続きが必要になるため、1ヶ月程度はみておくと安心です。

引っ越しの日程が決まったら、いくつかの引っ越し業者に見積もりをしてもらい、引っ越し会社を決めましょう。賃貸住宅に居住している場合は、賃貸契約の解約手続きも必要です。一般的に解約の申し出は、1〜2ヶ月前までとなっています。

ほかにも引っ越し、転居にともなう手続きは、たくさんあります。住所変更にともなう転出届の提出、転校届け、電気・ガス・水道の使用停止と使用開始の申し込み、郵便物の転送依頼、固定電話・携帯電話の住所変更、プロバイダの解約・契約申し込みなどの手続きが必要になります。役所での手続きは、平日しかできないことが多いため、時間をつくることも考えなければなりません。

引っ越しのポイント

荷物の数が多いほど、引っ越し費用が高くなってしまうため、新居に不要なものは早めに処分するようにしましょう。すぐに使用しないものから、少しずつ荷造りをはじめていきます。荷造りは、引っ越し日の2週間前からはじめるのがおすすめです。あまり早くから荷造りをはじめてしまうと、部屋の中がダンボールだらけになってしまい、生活しづらくなってしまいます。

ダンボールに荷物を詰めたら、中に何が入っているのかがわかるようにマジックで記入します。新居の間取りをチェックしながら、ダンボールに、新居のどの部屋に運ぶものかも記載しておくと、引っ越し当日の作業がスムーズに進みます。部屋や場所ごとに荷造りを行うとよいでしょう。ベランダや庭、バルコニーなど、室外に置いてある荷物は忘れがちなだけでなく、不要なものも多いため、早めに取り組むのがおすすめです。

引っ越し当日は、荷物の運び忘れがないかしっかり確認しましょう。荷物をすべて運び出したあと、管理会社に鍵を返却する必要もあります。また、ガスの開栓は、立会いが必要になることも覚えておきましょう。

退去時の掃除も重要

引っ越し時の掃除と、どこまで原状回復できているかにより、敷金の返金額が変わってくることもあります。入居時に支払った敷金から、原状回復費を差し引いた金額が敷金の返金額ということになります。そのため、退去時の掃除は、念入りに行うようにしましょう。

とくに、汚れの目立ちやすいキッチンや浴室、トイレなどや、窓ガラスや床といった細かなところもしっかり掃除することがポイントです。忘れがちなベランダやバルコニーの掃除もしっかり行いましょう。

荷物をすべて出してからでないと、掃除ができない場所もあるため、掃除道具はダンボールに入れないようにします。案外、引っ越し当日にゴミが出てしまうことも多いため、指定ゴミ袋も数枚残しておくようにすると安心です。

最後に

中古マンションを購入する際は、流れを把握しておくことで、手続きなどもスムーズに進みます。リフォーム・リノベーションを行う場合は、物件探しのタイミングから、リフォームプランを立てるようにすることがポイントです。

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