「変化に対応 愛されるスーパーに」エレナ新社長 中村憲治氏

「時代の変化に臨機応変に対応していきたい」と話す中村社長=佐世保市大塔町、エレナ本部

 地場スーパー大手エレナの新社長に中村憲治氏(47)が就任した。新型コロナウイルス感染拡大で経済が疲弊し、人々の生活スタイルが変化する中、その手腕が問われる。今後の展開や抱負を聞いた。

 -スーパー業界を取り巻く環境は。
 スーパーの強みである生鮮食品をドラッグストアやディスカウントストアなどが売るようになり、競合が激しくなっている。インターネット通販の普及も脅威。長い目で見ると業界は厳しい。

 -戦略は。
 青果、精肉、鮮魚といった生鮮食品の品ぞろえには自信があるし、それがお客さまに支持されて発展してきた。基本的なスタンスは変えず、毎日の食生活が豊かになるように新鮮でおいしい商品を提供していく。新型コロナ感染拡大を受け、人とできるだけ接触せずに買い物ができる体制を構築する必要性も出てきた。インターネットで買い物の注文を受け付ける「ネットスーパー」の導入も前向きに検討したい。

 -業績は。
 毎年新店舗をオープンしており、増収を続けている。2020年2月期決算の売上高は過去最高の559億円。今期も新型コロナによる飲食店の休業などで買い物の需要が高まり、売り上げは伸びている。今後も店舗を増やす方針だが、出店できる余地はどんどん少なくなっている。従来のように出店で売り上げ増を目指すだけでなく、効率化や経費削減で利益を生み出す仕組みづくりも大事だ。

 -今後の展開は。
 これまでは各店舗で魚や肉を加工していたが、昨年7月に精肉の加工センターを設立。そこで切り分けやパック詰めをし、一部店舗に配送している。温度や衛生管理を徹底しているので店舗での加工に比べて鮮度が落ちることはない。まとめて加工することで経費削減になるので、取り組みを加速させたい。感染症の流行に備えてセルフレジの導入も進めていきたい。

 -抱負を。
 祖父が創業し、私は3世代目。若さを生かし、時代の変化に臨機応変に対応していきたい。スーパーはお客さまに真摯(しんし)に向き合い、商品を提供するという毎日の積み重ねで育ってきた。会社の発展に尽力してきたベテランの力も融合し、お客さまに愛されるスーパーにしたい。


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