選手会専務理事が声明文を発表 機構側の強硬姿勢を批判

日本時間6月5日、メジャーリーグ選手会は理事と100人以上の選手たちによる電話会議を行い、トニー・クラーク専務理事が声明文を発表した。クラークによると、選手たちはプレーを再開することを望んでおり、グラウンドへ戻る準備もできているという。また、3月下旬の合意によりすでに年俸削減は行われているとの認識は変えず、「選手会が年俸削減に応じない限りシーズンを大幅に短縮する」としているメジャーリーグ機構側の強硬姿勢を批判した。

クラークは「国内外で未曽有の事態に見舞われている今、選手たちは我々が愛する野球というゲームをファンに提供する以上のことは望んでいません。しかし、これは我々だけではできません」とし、選手たちがファンのためにプレー再開を望んでいることを明らかにした。

メジャーリーグ機構はすでに選手会に対して、選手会が給与面で譲歩しない限りシーズンを大幅に短縮するという意向を伝えている。一方、選手会は試合数に応じた日割り給与が支払われることで合意しており、それによってすでに年俸削減は行われているという立場を崩していない。

クラークはこれについて「機構側から求められている譲歩は、すでに合意された数十億ドルの年俸削減に加えて要求されている」と述べ、機構側の姿勢を批判。選手会は2年間のポストシーズン出場枠拡大、ポストシーズン中止の場合のサラリーの繰り延べ、イベントの追加、試合中継への協力など複数の譲歩を提案しているものの、機構側との溝は埋まっていない。クラークが声明文のなかで「threat(脅迫)」という言葉を用いていることからも、両者間の溝の深さがうかがえる。

100試合以上のシーズン開催を要求する一方でこれ以上の年俸削減に応じるつもりはない選手会と、選手会が年俸削減に応じなければ50試合前後でのシーズン開催になると主張するメジャーリーグ機構。独立記念日(7月4日)に開幕を迎えるためのタイムリミットは刻一刻と迫っているが、両者間の深い溝が埋まる気配はない。

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