マスク 嫌になる暑さ 専門家「適宜外して休憩を」

 6月5日、今年初めての真夏日となった長崎県。蒸し暑い一日となったが、新型コロナ禍の中、県内ではマスク姿の通行人が目立った。「暑いけど感染が怖い」「外したいけど我慢している」「息苦しい」-。通行人からは、葛藤や苦悶(くもん)の声も。全国の医師らでつくる日本救急医学会は熱中症予防に関する提言をまとめ、「身体に負担がかかるので、適宜マスクを外して休憩することも大切」と呼び掛けている。
 同日の長崎市内。日傘を差して暑さをしのぐ女性や、腕まくりして額の汗を拭う男性も口元にはマスク。タクシー運転手の男性は「9割くらいの人が着けている印象」と話した。
 政府が掲げる「新しい生活様式」では外出時、屋内や会話をするときには症状がなくてもマスクの着用を推奨している。市内の専門学校に通う女性(22)は「毎日マスクを着けている。暑いけど、コロナの方が怖い」と話す。
 一方、マスクの着用に苦しさを感じる人も。市内の小学校に通う女子児童(6)は「今日暑い。マスクが嫌になる。すごく外したいけど我慢してる」と不満げ。西彼長与町の主婦(66)はマスクを外して坂道を上っていた。「熱がこもって息苦しいので外してしまった。通気性のいい手作りマスクとかで対応したい」
 全国的に気温が高まっていく中、日本郵便は同日、熱中症のリスクを考慮し、配達員が車内や屋外にいる場合などは、適宜マスクを外す取り組みを始めた。

 


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