ネットの〝ヘイト〟、考えよう 9日にオンライン集会

主催団体がサイトに掲載しているオンライン集会の告知

 インターネット上のヘイトスピーチや個人攻撃の被害者を救済するための法制度を考えるオンライン集会が、9日午後3時半から開かれる。弁護士や研究者でつくる「ネットと人権法研究会」がモデル法案を発表する。同研究会は視聴者を8日まで募っている。

 モデル法案はネット上での名誉毀損(きそん)とプライバシー侵害、ヘイトスピーチの禁止を明記。プロバイダー企業は、市民の申し立てを受けた第三者委員会による削除要請や発信者情報の開示請求に速やかに対応しなければならないとしている。

 総務省は現在、情報開示手続きの簡素化などの法改正を検討しているが、モデル法案は被害者救済に重点を置いた包括的な内容になっている。人権問題の専門家らでつくる第三者委員会を置くなど行政の恣意(しい)的な判断を防ぎ、表現の自由を守る仕組みも盛り込んだ。

 集会ではモデル法案の解説のほか、ネット上の誹謗(ひぼう)中傷訴訟に詳しい清水陽平弁護士や差別事件の代理人を務めた上瀧浩子弁護士らが現状や課題を報告。金尚均(キムサンギュン)龍谷大教授がドイツの法規制を紹介する。

 ネット対策を巡っては、モニタリングなどの取り組みが川崎市など自治体でも広がっているが、プロバイダー企業が削除や情報開示の求めに応じないなど実効性が課題となっている。

 「Zoom」を使ったオンライン集会で、参加希望者は8日までに同研究会のサイトのフォーム(https://forms.gle/SHudVVG5dS3vrTcj9)から申し込む。問い合わせは、同研究会の電子メール(cyberhumanrightslaw@gmail.com)へ。

© 株式会社神奈川新聞社