アメリカだけじゃない!プレミア選手が訴える「警官からの差別扱い」

白人警官に8分間も首を押さえつけられた後に死亡したジョージ・フロイドさん。

『New York Times』などはショッキングな事件の様子を伝えている(以下動画1分3秒~)。

動画を見たい場合はここをタップ!

警官らは偽造紙幣の通報を受けて駆け付けたというが、フロイドさんの首を8分間も抑え続けたという警官は起訴された。

この事件を受けて、サッカー界からもあらためて人種差別反対の声が上がっている。

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そうしたなか、『Guardian』はワトフォードFWアンドレ・グレイのインタビューを掲載。彼は英国生まれながら、ジャマイカにもルーツがある選手だ。また、マルコム・X、マーティン・ルーサー・キング、ネルソン・マンデラらのタトゥーを背中に彫り込んでいる人物でもある。

頬の傷は2011年に刺された際に負ったもの。そのグレイは「ジョージ・フロイドだけの問題じゃない。ここでも俺たちはいまだに警察によってステレオタイプな型にはめられている」などと訴えた。

アンドレ・グレイ(ワトフォードFW)

「俺たちが何のためにデモや抗議をしているのか理解していない無知な人間がいる。

問題なのはアメリカで起きている残虐行為やジョージ・フロイドについてだけではない。イングランドや他の世界各国で起きていることに対してだ。

ここ(英国)では武器を持った警官たちが街中にいないのは幸運だ。ここでも俺たちは警官たちによって、ステレオタイプ化されて判断されているからさ。アメリカでと同じように。

(警官に)何度停められたことか。クラブに行こうとして入れなかった回数も数え切れない。買い物をしていて警備員につけられたことが何度あるか。

誰かからサッカー選手なのかを尋ねられた回数も数えられない、俺がいい車から降りてきたからさ。

結局のところ、この国には3人の俺がいる。サッカー選手、ラッパー、ドラッグディーラー(扱いをされる)。これが事実なのさ。

ここでのデモは、アメリカでの警察の残虐行為に対するものだけではない。イングランドも同じなんだ。パリも世界中も。

至るところにある体系的な人種差別のせいだ」

アンドレ・グレイ(ワトフォードFW)

「人々が目を覚まして、これを目にするまで非常に長い時間がかかっているのは残念だ。なぜなら、今までどれくらい続いてきたかってことさ。

400年間、今に至るまで何も(変化は)なかった。なぜこの個別の件(フロイドの死)がこんなにも大騒ぎになっているのかは奇妙だ。こういう映像はずっとずっとずっと見てきたからね。

見慣れていないものではなかった、そう言うのはとても悲しいけどね。

他の人達にとってはより不安になるものかもしれないが、俺や多くの黒人にとっては、当たり前のことになっている」

「我が祖先、祖父母、両親、そして、いまの俺たちが対処しなければいけなかったものは厳しい現実だ。

人々がこの件について話すことにはイラつく。今だけではなく、全ての歴史や起きている出来事を全員が知っているんだからね。

ランダムに起きたことではない。ずっと続いている。

問題なのは残虐性だけでなく、体系的になっていたり、慣行化している部分だ」

「俺は何度もアメリカに行ったことがあり、彼の感情を正確に感じ取っている。空気感があるんだ。

アメリカに行った時には幸運にもいいエリアに泊まることができていたが、最後に行った時――昨年10~11月にニューヨークへ――は探索をした。

荒れた地区に行ってきた、ブルックリン、ハーレム、ブロンクスに。歩き回って、どこでの暮らしがどんなものかを直接見た。

(その地区に)より深く入っていけばいくほど、黒人たちがより多く目につき始め、白人はいなくなり始める。

電車に乗っていても、停車するごとに白人たちは降りていく。そのエリアに到着する頃には、電車は黒人で溢れている。

彼らはそこに取り残されている。まるで完全に隔離されているかのように。実際はそんな訳でもあるまい。

それは彼らがやったことだ。分断(分離、隔離、人種差別)だ。それにも自分は驚かされた」

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