新型コロナウイルスの影響で休業が続いていた宿泊施設も営業を再開し始める中、三重県内有数の観光地、鳥羽市の旅館では新しいスタイルのおもてなしを模索しています。
創業190年の老舗旅館の戸田家は、約1カ月間の休業を経て5月22日から営業を再開しています。
宿泊客には消毒と検温の徹底や問診票の記入を求めるほか、カウンターやレストランにアクリル板を設置して飛沫感染防止に努めるなど、館内各所で感染防止策を講じています。
さらに、密接を避けるため従業員による客室までの案内を控える一方、宿泊客が迷わないよう館内の至る所に従業員を配置し、「新しいおもてなし」で宿泊客を出迎えています。
客足が増え始めてはいるものの、6月の予約はまだ例年の1割ほどだということです。
戸田家では、年間を通しての損失額は10億円に上るなど経済面で厳しい再開となっています。
大きな打撃を受けている鳥羽市ですが、地域経済の活力を取り戻そうと模索が続いています。
鳥羽旅館組合では、県民を対象に宿泊料が2割ほど割引となるプレミアム旅館券の発行を検討しています。
また、8月前半の毎晩、悪疫退散を願って花火の打ち上げを計画し、本格的な夏の到来に向けて準備を進めています。