フェラーリF1代表、ベッテルのチーム離脱には新型コロナ危機の影響があったと明かす

 フェラーリのチーム代表を務めるマッティア・ビノットは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによるF1への影響が、2021年に向けたチームの構想を変え、セバスチャン・ベッテルのチーム離脱に繋がったと語った。

 先月、フェラーリとベッテルは今シーズンをもって契約を終了すると発表した。今回の離別は、フェラーリ側がベッテルに提示した契約の金額と長さに根差すものだと多くの人々が考えている。

 しかしビノットは、新型コロナウイルスによる危機や経済停滞の真っ只中に決定したF1の大きな変化が、フェラーリの構想を左右する重要な要因になったと述べた。

「フェラーリは、セバスチャンのことをドライバーとしても、人間としても愛している。彼は我々のチーム、プロジェクトの一員だ。だから決して簡単な決断ではなかった」とスペインのスポーツ紙『Marca』に話した。

「セブ(ベッテルの愛称)は我々にとって一番の選択肢だったが、その時にCOVID-19が発生した。レギュレーションのことから予算の上限まで、多くの物事が変わったというこの状況が、構想を変えたのだ」

「チーム内での審査も行った。難しいことだっだが、我々のやったことはそういうことだ」

「それ(契約期間が短いことを理由にベッテルがチームを去ったという説)は真実ではない。ただ物事が変わって、我々が新しいサイクルに目を向けたのだ。タイミングの点から考えると、この構想は彼のビジョンと合わなかったようだ」

 2021年に向けたベッテルのプランは明らかになっていないが、来シーズンもレースをするための選択肢として、ルノーや、あるいはメルセデスがある。

 ビノットはベッテルがF1に残ることを望んでおり、メルセデスに移籍することができれば嬉しいという。なお2021年に向けて、メルセデスはまだルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタスの両者との契約を締結していない。

「我々は彼を愛しているし、正当に評価している。(もしベッテルが引退したら)損をすることになるだろう。彼にとっては、申し分ないシートを見つけることが重要になる」

「メルセデスに移籍するという噂を聞いている。(それが実現すれば)とても嬉しいし、そうなってほしいと思う」

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