廊下リフォームの費用相場はいくら?工事内容別に事例とともに解説

家族が毎日通る廊下は、知らない間にクロスが黒ずんだり床材が傷んだりと劣化が進んでいます。ほかの部屋よりも狭い空間だからこそ、リフォームで大きく印象が変わるポイントでもあります。廊下リフォームでは床材や壁紙、バリアフリーといくつかポイントがあり、それぞれに費用相場もあります。この記事では廊下のリフォームを検討している人に向けて、廊下リフォームにかかる費用や注意点について、費用相場や工期を交えてご紹介します。

廊下リフォームの費用相場はいくら?

廊下リフォームでかかる平均費用は約20万~30万円前後です。手すりの取り付けや狭い範囲の床材リフォームなら、20万円以下でできるものも少なくありません。また、廊下のリフォームは手すりや転倒防止などバリアフリー目的であることも多く、その場合は介護保険も利用できます。

廊下壁紙・クロスの張り替えにかかる費用と工期

廊下の壁紙を張り替える場合の費用相場は、1㎡でおよそ1500円程度です。張り替える面積が40㎡であった場合、およそ6万円前後となります。壁紙は吸湿性など高性能なものや、有名ブランドのものがあったり、種類も値段も豊富です。そのため、選ぶ壁紙のレベルによって費用は大きく変わります。

特殊な廊下のデザインでない限り、張り替えにかかる工期は長くかかりません。だいたい2日程度見ておけば、廊下全体の張り替え工事は終わるでしょう。

廊下床のリフォームにかかる費用と工期

廊下の床リフォームには2つの方法があります。それぞれの特徴と費用・工期をご紹介します。

重ね張り工法

「上張り」ともいわれる工法で、既存の廊下の床材を剥がさずに上から新規の床材を張っていきます。既存のフローリング材を剥がさない分工期が短くなり、費用も安くなる点が大きなメリットです。また、廃棄する床材が出ないので環境にも優しく、解体費も発生しません。

重ね張りは廊下の床材が厚くなるので、防音効果や床の強度アップといったメリットもあります。集合住宅や2世帯住宅で防音対策をしたい場合もおすすめの工法です。ただ、重ね張りにはデメリットもあります。床材が分厚くなると廊下に接している部屋のドアやクローゼットのドアが開かないリスクがあるので、事前のチェックが必要です。床材の下地が傷んでいても取替えられず、白アリや腐食にも対処できません。そのため重ね張り工法ができるのは、メンテナンスがほぼ不要のフローリング材が基本となります。

張り替え工法

新規の床材を貼るので「新規張り工法」といわれることもあります。既存の床材をすべて取り払い、新しく床材を張っていく工法です。既存の床材がカーペットである場合は撤去が必要なので、張り替え工法が基本となります。

張り替え工法は一度床材を剥がすので、その時に下地の状態もチェックできる点がメリットです。特に床材の劣化が激しく、「歩くときにフワフワする・ギシギシする」という場合は張り替え工法で解消するでしょう。重ね張り工法のように床材が分厚くならないので、ドアが開かないといったリスクもありません。新規の床材も種類の制限がなく選べるので、リフォームでガラっと雰囲気を変えることもできます。

デメリットとしては、既存の床材の撤去費用がかかる点と工期が長くなる点があります。巾木が干渉して床材が剥がせない場合は、巾木の交換も必要です。

床材別の価格目安

無垢フローリングは足触りが良く、色味も選べるためコーディネートしやすい。時が経つにつれて味わいが出てくるのも醍醐味

カーペット:防水性がないが他の素材に比べて高級感が出せる点で人気があります。クッション性が高く保温性がある点もメリットです。

・価格の目安(7㎡の場合)

張り替え:約5万~10万円前後、重ね張り:約4万~5万円前後

クッションフロア:防水性が高く、トイレや洗面所といった水回りにも人気の床材です。安価なのにデザインが豊富で、滑りにくい点がメリットです。

・価格の目安(7㎡の場合)

張り替え:約4万~8万円前後、重ね張り:約3万~5万円前後

複合フローリング:天然木を集めて作られた床材で、メンテナンスが楽でダニが発生しにくいメリットがあります。廊下の床材として最も人気の種類です。

・価格の目安(7㎡の場合)

張り替え:約7万~14万円前後、重ね張り:約5万~10万円前後

無垢フローリング:1本の木を伐り出して作る無垢材を使ったフローリングは、調湿性や高級感があるため人気が高い床材です。しかし価格が高く、防音性が低いというデメリットもあります。

・価格の目安(7㎡の場合)

約9万~18万円前後

フロアタイル:クッションフロアと同じく塩ビ素材ですが、すこし厚めに作られています。石目調など高級感のあるデザインも豊富で、イミテーションですが本物に近い質感を楽しめます。

・価格の目安(7㎡の場合)

張り替え:約5万~9万円前後、重ね張り:約4万~8万円前後

廊下のバリアフリー化にかかる費用と工期

リフォームをする時に意識したいバリアフリー化。廊下で人気のバリアフリーリフォームにかかる費用と工期をご紹介します。

段差の解消

廊下の段差で多いのが「敷居」です。数センチ程度の段差ですが、身体機能が低下している高齢者はつまづきやすく危険なので、転倒防止のために撤去するリフォームが人気です。費用相場は、全長90cm程度の敷居で約3万円が費用相場となります。工期は短く、1か所数時間程度で施工してもらえるでしょう。

手すりの設置

転倒しそうになった時、頼りになるのが「手すり」です。廊下に手すりを取り付ける場合、手すりの本体代と施工費用が発生します。手すりの長さにもよりますが、一般的な廊下の場合約4万円が費用相場となります。下地補強も必要な場合は、プラス3万円程度が相場です。工期は1日程度見ておけばよいでしょう。

フットライトの設置

廊下には何かと物を置いておくことが多く、足元が暗いとうっかりつまづいてしまうことがあります。そんな時、足元を照らしてくれる「フットライト」があれば転倒を防ぐことができますね。バリアフリーの場合は、自動で点灯する人感センサー式のものがおすすめです。本体代と施工費合わせて、1か所1万円程度が相場です。工期は1日程度見ておけばよいでしょう。

廊下照明の種類と設置にかかる費用・工期

長時間いることは少ない廊下ですが、照明もすこしこだわるだけで一気におしゃれな雰囲気になります。人気の廊下照明5種類の費用や工期をご紹介します。

・ダウンライト

天井に埋め込むダウンライトはスッキリした見た目で、廊下照明で一番人気があります。ダウンライトの性能にもよりますが、費用相場は1か所当たり1万円程度です。

・シーリングライト

廊下全体をしっかり照らしてくれるシーリングライトは、天井に直接取り付ける廊下照明器具です。デザインも豊富で希望の雰囲気に合わせて選べます。廊下の場合は小型のシーリングライトでまかなえるケースが多く、費用相場は1万円程度です。

・スポットライト

廊下にお気に入りの写真や絵画を飾るなら、スポットライトで照らしてみるのはいかがでしょうか。施工費込みで、1か所あたり約1万~3万円前後が相場となっています。

・ペンダントライト

デザインが豊富で一気に廊下を華やかにしてくれるペンダントライトは、1つあるだけでも廊下のポイントになります。ペンダントライトは数千円から販売されていますが、取り付けに必要な「引っ掛けシーリング」も施工する場合は1か所5000円程度必要です。

・ブラケットライト

壁掛けタイプのブラケットライトも廊下のポイントとなり、一気におしゃれな雰囲気にしてくれます。施工費と本体代合わせて1か所3000円程度が費用相場です。

廊下に収納スペースを追加する場合の費用と工期

扉付きの廊下収納はストック用品などをまとめるのに使いやすい。キャビネットタイプは飾り棚としても活用できる

廊下の壁部分を収納スペースにできれば、家がすっきりと片付きます。おしゃれな飾り棚で「見せる収納」にしたり壁一面を使って壁面収納にしたり、用途に応じて選んでみましょう。

見せる収納ができる飾り棚の場合、下地補強も合わせて費用相場は約10万~40万円前後となっています。しかしあくまでも飾り棚なので、大量の本など重たいものは避けましょう。オーダーであったとしても、工期は1日~2日程度となっています。壁全体にものを収納できる壁面収納は、施工範囲も広くなります。廊下の壁全体に収納スペースを取り付ける場合、費用は30万円以上になるでしょう。工期は1日~2日程度です。

廊下ドアのリフォームにかかる費用と工期

断熱性や視線といった観点から、廊下にドアを後付けするケースも増えています。廊下ドアは引き戸・開き戸・折れ戸の3つから選ぶケースが一般的です。ドアの取り付けにかかる費用は、1か所あたり約12万~14万円前後が相場です。また、工事にかかる期間は1日程度見ておけばいいでしょう。

廊下をなくす間取りにするメリットとデメリット

家に必須と思いがちな廊下ですが、廊下を「なくす」リフォーム方法もあります。廊下をなくすと各部屋への動線が短くなり、移動しやすくなります。また、廊下で使っていたスペースも部屋として使えるので、その分お部屋も広くなるでしょう。しかし廊下がないことで、リビングから発生する料理の熱気や匂いは充満しやすくなります。またプライバシー性が低くなるので、特に来客時のトイレや入浴には注意が必要です。

廊下リフォームの注意点

最後に、廊下リフォームで注意したい点を2つご紹介します。

廊下の幅は78cm以上

部屋を大きくしようとすると廊下の幅を削りがちですが、廊下の幅は「78cm」は確保しましょう。なぜなら、一般的な車いすで移動しやすい幅の限度が78cm以上といわれているためです。もしリフォーム前の廊下の幅が78cm以下なら、廊下の拡張リフォームを検討してもいいでしょう。

階段や玄関のデザイン

廊下とは、玄関や階段・そのほかの部屋を結ぶ動線です。部屋はドアを閉めることができますが、玄関や階段はそうはいきません。そのため、廊下リフォームを行う時は玄関や階段との「つながり」を意識したデザインを心がけましょう。特に壁紙のデザインでは無地をベースとした落ち着いたデザインがおすすめです。もちろん好みがありますが、濃い色や柄物の壁紙は「アクセントクロス」としてポイント使い程度にした方が無難でしょう。

© 株式会社プロポライフグループ