医療従事者へ感謝のおにぎり 飲食店経営企業が無料提供

病院スタッフにおにぎりを手渡す「まんまmiyu」の岩篤志店長(右)=川崎市川崎区の総合川崎臨港病院

 新型コロナウイルス感染症治療の最前線で闘う医療従事者を応援しようと、飲食店を経営する川崎市内の企業が8日、総合川崎臨港病院(同市川崎区)に、おにぎり300個を無料提供した。国民1人に10万円を配る「特別定額給付金」を元手に、店で募った応援メッセージも添えた。同社は「今後も日々のお勤めに対する感謝とねぎらいの気持ちを伝えていきたい」と話している。

 おにぎりを提供したのは「美遊JAPAN」(同)。市内でレストランと、おにぎりがメインのカフェ「まんまmiyu」を経営している。

 同社も新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた。レストランは営業を継続したものの、1月に市産業振興会館内(同市幸区)にオープンしたばかりのカフェは臨時休業を余儀なくされ、全体の売り上げも半減した。

 「苦しい状況になっても、地域に支えられて営業を続けられてきた。自分たちも何か役に立てれば」と同社の岩美恵子社長(67)。自身の特別定額給付金を使い、同病院におにぎりを提供することを決めた。客らに応援メッセージを募ったところ、「地域を支えてくださりありがとう」「皆さまのおかげで川崎市が守られています」などの言葉が寄せられたという。

 この日は、カフェで人気の具材「サケカマのほぐし身」と「梅肉おかかあえ」をセットにし、岩社長の次男でカフェ店長の篤志さん(35)が150人分を届けた。受け取った同病院事業企画担当の中村崇さん(37)は「みんな疲れ切っている中、おにぎりで感謝を示してくれてうれしい」と笑顔。篤志さんは「一つ一つにいろんな感謝の思いを込めた。これから他の飲食店も巻き込み、より一層のお手伝いができれば」と意気込んだ。問い合わせは、同社、電話044(322)5171。

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