あなたの作品が永久保存される「スケッチブック・プロジェクト」 ニューヨークの「ブルックリン・アート・ライブラリー」が主催する「スケッチブック・プロジェクト」。これまでに世界101カ国から16万人を超えるクリエイターが参加している、ユニークなアート・プロジェクトとは?

同じスケッチブックでも、描かれるストーリーは千差万別

ニューヨークの人気エリア、ウィリアムバーグにある「ブルックリン・アート・ライブラリー」には、約47,000冊もの「同じデザインのスケッチブック」が納められている。これは12年前から始まった「スケッチブック・プロジェクト」という、クラウドファンディング式のアート・プロジェクトだ。

参加者はまず1冊の真っ白なスケッチブック($30)を購入し、テーマを選び、そこに絵やテキスト、写真、コラージュなど自分の好きなことを描く。スケッチブックがいっぱいになったら、そのスケッチブックをライブラリーに郵送すると、「あなたの作品」がライブラリーに所蔵されるというシステムだ。

あなたの心に刺さるアイデアを見つけるプロジェクト

このライブラリーに所蔵されているスケッチブックの数は、現時点で46,971冊。プロジェクト参加者は162,081人で、国別にすると101カ国が参加しているという。

追加料金の$65を払うとデジタル所蔵にもできる。デジタル版も20,000冊を超えていて、誰でも閲覧できるのが嬉しい(デジタル・コレクションのリンクはこちら)。

「これを始めたのは、目的を持ってアートをクリエイトする誰もが利用できる形式ばらないフォーマットを創りたかったから。個々の作品を飾る伝統的なギャラリーの手法とは異なるが、クリエイティブなコミュニティーによるプロジェクトの方がインパクトを与えられると信じている」とは、同プロジェクトを立ち上げたスティーブン・ピーターマン氏。

今ではプロフェッショナルなアーティストだけでなく、アマチュア・クリエーターや会社員、学生たちも参加する世界規模なアート・コミュニティーに成長した。デジタルとアナログを兼ね備えたユニークなアート・プロジェクトに、時代が追いついてきたようだ。

2019年12月12日

© 株式会社メディアシーク