長崎大のDJサークル 「バンドみたいに、普通の選択肢」へ 選曲やミックス技術、初心者も上達

DJコントローラーを手に笑顔の長崎大DJサークルのメンバー。左から木村部長、田丸さん、内野さん、立石さん=長崎新聞社

 ヘッドホン片手に機材を操作し、次々と曲を流して会場を盛り上げるディスクジョッキー(DJ)。長崎大DJサークル(木村泰智(たいち)部長、12人)は昨年春に結成。「バンドみたいに、学生が新たに趣味を始めるときの普通の選択肢としてDJを広げたい」という木村部長を中心に、部員が腕を磨いてきた。新型コロナウイルスの感染拡大で活動休止中だが、ネットを活用した「オンライン新歓」などを展開し、4人の新入部員が加入。今月から一部の活動再開が決まり、意気込みを新たにしている。

□ 聴衆の好み
 DJは、イベントなどで特定の音楽ジャンルやテーマに応じて楽曲を選び、会場にBGMとして流すのが役割。ただ再生するだけではなく、専用の機材で曲のボリュームやテンポなどを操作。楽曲の変わり目では、切れ目なく自然に次の曲につなぐ「ミックス」を行う。聴衆の好みに合わせた選曲センスやミックスの技術が問われ、盛り上げたり和ませたりと雰囲気をつくる役どころでもある。
 DJの活躍の場といえばクラブ(音楽やお酒を楽しむ飲食店)。木村部長(薬学部3年)は以前からクラブが好きで、長崎市内のクラブで仲良くなった2人の先輩DJの影響から「学内にサークルをつくろう」と思い立ち、DJをマスター。昨年4月に同サークルを発足させた。ツイッターなどで部員を募り、昨年4月に活動を開始した。

□ かっこよく
 部員は学内で月1、2回程度集まり、練習や学内でのDJイベントを開催。「DJ文化を身近なものにしたい」と、学外でのイベントも企画してきた。昨年7月、同市の海水浴場で日中「ビーチDJパーティー」を開き、約180人が集まった。諫早市の「のんのこ諫早まつり」(9月)にも出演した。
 初心者で入部した部員たちもめきめきと腕を上げた。部員募集で最初に連絡してきた立石聖(ひじり)さん(歯学部2年)は「大学に入学したらDJを覚えたいと思っていた。サークルができると知って、すぐ連絡した」と話す。「かっこいい曲同士を、かっこよく組み合わせるのが快感」と表現。
 音楽好きを買われ、友人の木村部長に誘われた田丸悠文(ひろふみ)さん(水産学部3年)は「かける曲を探すので、いい曲に出合うことが増えた」と笑顔。内野璃奈(りな)さん(多文化社会学部4年)は、サークル外でも積極的にクラブなどに出演し「自分の選曲でフロアの客が盛り上がると楽しい」と目を輝かせた。

□ オンライン
 2年目に向けて「新入部員を増やし、長く続くサークルにしたい」(木村部長)と考えていたが、新型コロナの影響で3月から活動を休止。大学は新学期からオンライン授業が続いており、学内の利用も制限されている。それでも、会員制交流サイト(SNS)を通じて部員を募集。入部希望の1年生とビデオ会議アプリを通して親睦を深める「オンライン新歓」を2回開き、学生生活に関する相談にも乗った。
 今月中旬から感染防止対策を徹底した上で、一部の活動再開が可能になった。木村部長は「コロナで活動できずショックだったが、オンライン上のイベントに参加したりして、新しい気付きもあった。工夫して活動したい」と意欲。「イベント開催などができない分、この機会に、部員の練習に力を入れて技術を磨きたい」と語った。
 長崎大DJサークルのツイッターアカウントは@NagasakiDJ

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