【新型コロナ】海岸のルール確保へ、条例案を可決 逗子市議会常任委

日光浴や散歩を楽しむ人の姿が見られた逗子海岸=5月2日、逗子市内

 今夏の海水浴場開設が中止された中、新型コロナウイルス感染防止と海岸のルールを確保するため、逗子市が提出したマナー向上条例案が11日、市議会総務常任委員会で可決された。22日の本会議でも可決される見通しで7月1日から適用される。

 海水浴場が開設されないことで従来のマナー条例が適用されず、市は海岸の管理権限を持たない状態で夏を迎える。そうした中でウイルス感染を防止するため、①不特定多数を集めるイベント②大型テントなどで多くの人が密集する状態─などの禁止を、市の責務として呼び掛けることが今回の条例の柱。

 その上で、2014年から施行する海水浴場のマナー条例と同様に▽火気を使用する調理器具▽飲酒▽入れ墨の露出─などの禁止も呼び掛けるという。

 また市は、海の安全確保策として、例年通りに警備員を配置してマナー順守を呼び掛けるほか、水上事故防止策として沖合にブイを置いて遊泳とマリンスポーツの区域を分け、海岸組合なども例年同様、海上パトロールに協力する方向。警備費用などは、市が海水浴場開設のために計上していた約2千万円を充てる。

 市議からは「海岸管理者の県が本来、負担すべき費用だ」との声が相次いだ。市は「今夏は海岸来訪の自粛を、市外の方に重点を置いて発信する」としている。

 鎌倉市も11日までに、海岸での飲酒などを禁止するため、マナー向上を促す条例の改正案を市議会に提出した。

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