F1ボス、2020年カレンダーの構想を語る「10戦はほぼ確定、あと5、6戦必要」バーレーン2戦目で“オーバル”を使う案も

 F1のモータースポーツ担当マネージングディレクター、ロス・ブラウンが、2020年F1カレンダー後半のプランについて語った。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で元々のカレンダーの前半10戦が延期あるいは中止となった後、F1はスケジュールを組み直し、今月、変更版カレンダーの最初の8戦を発表した。

 それにより、7月5日と12日のオーストリア連戦でシーズンがスタートし、ハンガリー、イギリス2連戦、スペイン、ベルギー、イタリアまでの開催が正式に決定した。F1はその後のスケジュールについて各レースプロモーターと協議し、日々変化する状況のなかで、なんとか9月以降のスケジュールを決めようとしている。

 ブラウンは、冬にバーレーンとアブダビでグランプリを開催する予定であることを明らかにした。一方で、当初予定されていたグランプリの一部が開催できなくなる可能性があり、その代わりとしてヨーロッパでのグランプリを増やすことを考えていると述べた。

「状況が刻一刻と変化しているが、まだ時間はある」とブラウンはformula1.comのインタビューにおいて語った。

「たくさんの選択肢があり、シーズン後半は素晴らしいカレンダーになると確信している。ただ、まだ確定していない要素があるため、現時点でお知らせするつもりはない」

「万一の事態によってヨーロッパシーズンを拡大することもあり得る。必要に応じて1戦か2戦増やすかもしれない。現段階では、シーズンの最後にバーレーンとアブダビを開催することになると思っている。これで合計10戦だ。シーズン中盤に、あと少なくとも5戦か6戦を加える」

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「(市街地に)コースを作る必要があるバクーやシンガポールについては、パーマネントトラックの場合よりも早めに決断する必要がある」

「あらゆる面から見て、素晴らしいシーズン後半になると考えている。開催が実現しないレースもいくつかあるだろうが、その場合、何戦かを加えるので、最終的には多くのグランプリを実施できるだろう」

■「中止と追加のグランプリについてはまだ発表できる段階ではない」とブラウン

 追加グランプリ開催地の候補といわれているのは、フェラーリが所有するイタリアのムジェロ、イモラ、ポルトガルのポルティマオ、ドイツのホッケンハイムなどだ。

「ヨーロッパにはたくさん優れたサーキットがあるので、より大きなシーズンにするために、ひとつかふたつ、加えるかもしれない」とブラウン。

「今取り組みを行っているところなので、まだ発表するつもりはない。発表した後で変更するような事態は避けたい。一方で、関係者が準備できるよう、十分な余裕をもって発表する必要がある」

「シーズン後半の何戦かは観客を入れて行いたいと思っている。その場合はチケット販売のための時間も考慮する必要がある」

 ブラウンは、シーズン終盤のバーレーンが2連戦になる可能性を認め、その場合には異なるレイアウトを使用することも検討していると語った。バーレーン・サーキットには複数のレイアウトが備わっている。

「バーレーンの魅力のひとつは、多数のレイアウトが使用可能なことだ」とブラウン。
「つまり、バーレーンにとどまりながら、ふたつの異なるレイアウトでレースをすることができる」

「ほぼオーバルのレイアウトがあり、そこでレースをするのは面白そうだ。すべてのレイアウトがFIAのグレード1ライセンスを取得しているので、検討の対象となり得る」

「ただ、2種類のレイアウトを使用するとなると、サーキットでは膨大な作業が必要になる。そのため早めに決断する必要がある。それも考慮しなければならない」

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