5巡目指名も侮れない! 5巡目指名からスターとなった選手たち

今年のドラフトは新型コロナウイルスの影響によって例年の40巡から5巡へと大幅に規模が縮小された。今年のドラフトにおける「最下位指名」となる5巡目だが、決して侮ることはできない。過去のドラフトを遡ってみると、5巡目指名で入団した選手のなかから殿堂入り選手やMVP受賞者など、多くのスター選手が誕生しているのだ。

5巡目指名からの最大の出世頭は、通算808盗塁のティム・レインズ(1977年エクスポズ5巡目)だろう。メジャー定着を果たした1981年から6年連続で70盗塁以上をマークし、そのうち最初の4年間は盗塁王のタイトルを獲得。43歳まで現役を続け、2017年にアメリカ野球殿堂入りを果たした。

優勝請負人として3チームでワールドシリーズ制覇を経験し、通算254勝を挙げて2018年に殿堂入りを果たしたジャック・モリスは1976年にタイガースから5巡目指名を受けてプロ入り。タイガースはその前年の1975年にも通算2369安打を放った名遊撃手ルー・ウィテカーを5巡目で指名している。

他にも通算385本塁打のドワイト・エバンス(1969年レッドソックス5巡目)、通算176勝のデーブ・スティーブ(1978年ブルージェイズ5巡目)、通算424セーブのジョン・フランコ(1981年ドジャース5巡目)、2006年MVPのライアン・ハワード(2001年フィリーズ5巡目)、1996年サイ・ヤング賞のパット・ヘントゲン(1986年ブルージェイズ5巡目)などがいる。

現役選手では、2018年MVPのムーキー・ベッツ(2011年レッドソックス5巡目・現ドジャース)が最大のスター選手だ。2015年サイ・ヤング賞のジェイク・アリエタ(2007年オリオールズ5巡目・現フィリーズ)、2年連続35本塁打のマックス・マンシー(2012年アスレチックス5巡目・現ドジャース)、本塁打王2度のクリス・デービス(2006年レンジャーズ5巡目・現オリオールズ)らも5巡目からの出世組。タイラー・グラスノー(2011年パイレーツ5巡目・現レイズ)、キャバン・ビジオ(2016年ブルージェイズ5巡目)といったスター候補生たちの成長にも期待したい。

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