特別ルールのベンチ入り26人がリーグVのカギに?「救援陣をどう構築するか」

巨人のルビー・デラロサ【写真:荒川祐史】

林昌範氏「特別ルールがペナントレースの行方を左右する可能性が十分にある」

【林昌範の目】
林昌範です。今月19日にプロ野球がいよいよ開幕しますね。新型コロナウイルスの感染拡大で3か月も開幕が延期になったので楽しみにされているファンの方も多いと思います。

今年は試合数が120試合の予定になり、無観客試合でスタートするなど例年と状況が全く違います。気になったニュースは1軍ベンチ入り人数の拡大です。日本野球機構(NPB)と日本プロ野球選手会が事務折衝を行い、新型コロナウイルス感染拡大に伴う特別ルールで合意しました。1軍の選手登録人数が29人から31人に、ベンチ入り人数が25人から26人に拡大され、延長も10回で打ち切られることに。この特別ルールがペナントレースの行方を左右する可能性が十分にあると思います。

6連戦が続く過密日程が予想され、特に投手は体にかかる負担が大きいです。先発投手で言えば、例年は春季キャンプ、オープン戦で体を作って球数を増やしていくことでコンディションを上げていきますが、今年はコロナの影響で1か月以上実戦から離れたため、万全の状態で開幕に入るのは厳しいと思います。長いイニングを投げさせることは故障のリスクを伴います。延長10回で打ち切りになることで、各球団は早いイニングから継投策を頭に入れて戦いを進めるのではないでしょうか。

そこでカギを握るのが救援陣です。1軍のベンチ入りメンバーが1人増えたことで、「26人目の選手」に救援の投手を加えるチームが多いと思います。昨年の巨人は救援陣に故障者が続出した6月に途中加入したルビー・デラロサ投手が新守護神として抜群の安定感を見せ、先発から配置転換された大竹寛投手が32試合登板で4勝8ホールドと稼働したことがリーグ優勝の大きな要因になりました。救援陣が整備されているチームは接戦に強いため、白星を重ねることができます。各球団が救援陣をどのように構築するのか興味深いですね。文/構成 インプレッション・平尾類

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