【新型コロナ】観光業「V字回復」へ5億円 横浜市、助成やプロモ展開

横浜市役所

 横浜市は、新型コロナウイルス感染症で打撃を受けている市内の観光産業の支援に乗り出す。事業者が企画した日帰り商品を助成。県をまたぐ移動制限が近く緩和されることを見越し、市内での宿泊を促進するプロモーションも展開する。

 市は2020年度一般会計補正予算案に、関連費5億円を計上。「市内観光のV字回復を図る」と意気込んでいる。

 新型コロナウイルスの感染が拡大した春先、市内の観光も大きな打撃を受けた。市によると、市内に約40あるホテルの平均稼働率は3月が49.3%。4月が26.6%と過去最低を更新し、さらに5月は10%台まで落ち込むと予想されている。東京五輪が来夏に延期されたこともあり、施設側へのヒアリングでは「訪日外国人客(インバウンド)は当面、見込めない」との嘆きも聞かれるという。

 こうした状況に、市は近隣、遠方の双方から観光客を呼び込むための施策を打つ。主に横浜市民、神奈川県民向けの日帰り商品の企画を事業者から募って補助。市内のホテルをネット予約した観光客に市独自のクーポンを付与するなど、宿泊観光を促進するキャンペーンを実施する考えだ。市は「長引く自粛で、旅行へのニーズは高まっている。現状は厳しいが、少しずつ回復に向かっていきたい」と話している。

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