西武ニール、2戦連続の炎上に指揮官も複雑 「良いかもしれないし悪いかもしれない」

西武のザック・ニール【写真:宮脇広久】

ニールは強気「満足できなかったのは結果だけ」

西武の開幕投手を務めるザック・ニール投手は12日にメットライフドームで行われたロッテとの練習試合に先発したが、5回8安打3四死球6失点。1週間後の19日にメットライフドームで行われる日本ハムとの開幕戦へ向け、大きな不安を残した。

1回先頭から3連打を浴び、あっという間に先制点を奪われると、4回まで毎回失点した。本人は「今日の結果は満足できるものではなかったけど、開幕1週間前のこのタイミングで重視しているのは肩の状態やコンディショニングなので、その点に関しては満足しているよ。満足できなかったのは結果だけ。来週はもっと良くなるんじゃないかな」と強気を崩さなかったが、5日の中日との練習試合でも5回9安打5失点と打ち込まれており、周囲の心配は募るばかりだ。

辻監督は「良くないね。バッターのタイミングを外せていない。まっすぐの走りが悪いのか、変化球を投げる時に(投球フォームが)緩むのか…」と指摘。もともと球威で勝負するタイプではなく、緩急をつけられなかったり、球種を読まれたりすると、簡単に捉えられる。指揮官は「(開幕投手を務めることは)もう変わらないんだから。良いかもしれないし、このまま悪いかもしれない。いいことを願う。しっかり調整してほしい」と不安を隠せない。

昨季11連勝含む12勝も、相手も対策必至

キャンプ、オープン戦では順調そのものだった。新型コロナウイルス感染拡大をうけての活動自粛期間をへて、調子が下降線をたどっているようにみえるのが気になる所だ。

また、来日1年目の昨季は11連勝を含む12勝1敗と無敵を誇ったが、チーム関係者は「相手もプロだから、やられっぱなしではいない。徹底的にニール対策を練ってくるはず。圧倒的な球威があるわけではないので、よほどこちらも相手を研究するなり、球種や配球パターンを増やすなりしていかないと、昨季のように簡単にはいかない」と指摘している。

“2年目のジンクス”とは、主にルーキーイヤーや実質1年目に大活躍した若手が、翌年成績を落とす現象を指したものだが、外国人選手にも当てはまるケースがあるのか。手薄な先発投手陣にあって、ピカイチの安定感を示していたニールまで崩れるようなことがあれば…。開幕までの残り1週間で修正することはできるか注目だ。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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