MLB機構が声明文を発表 「選手会の交渉拒否に失望している」

メジャーリーグ機構は日本時間6月14日、メジャーリーグ選手会が2020年シーズン開幕に向けての交渉の打ち切りを通告してきたことを受け、声明文を発表した。そのなかで「メジャーリーグ選手会がプレー再開について、誠意ある交渉を行わない選択をしたことに失望している」と述べ、一方的に交渉を打ち切った選手会の姿勢を批判した。

声明文は「我々は、新型コロナウイルスの感染拡大によって引き起こされた非常に困難な状況のなかで、選手、球団、そしてファンに平和的な解決策を提供するために3度の提案を行ってきたが、メジャーリーグ選手会がプレー再開について、誠意ある交渉を行わない選択をしたことに失望している」という一文からスタート。これは、対案の提示を拒否したうえで、2020年シーズンのスケジュールを確定させることを要望した選手会の姿勢を批判したものだ。

さらに「選手会は、3月26日の合意はファンの前でプレーが再開された場合にのみサラリー全額が支払われるというものであり、選手へのサラリーを支払うために必要な数十億ドルのチケット収入が得られない場合には再交渉が行われることが前提になっている、ということを理解している」と述べ、無観客開催の場合にはサラリーの再交渉が行われるべきであると主張。「無観客で2020年シーズンを開催する場合に得られる収入を、事実上すべて受け取る権利があるという選手会の姿勢は、球団や、この非常に困難な状況のなかで我々と各球団が経済的に支援している何千人もの球界関係者にとってフェアではない」と選手会の姿勢を痛烈に批判した。

そして「3月の合意内容を守ることを拒否した選手会の姿勢を踏まえ、各球団のオーナーと協議を行ったうえで、ファンのためにベースボールを再開するためのベストの道筋を決定する予定だ」とし、機構側の権限によって2020年シーズンのスケジュールを確定させることを示唆した。

ただし、USAトゥデイのボブ・ナイチンゲールは「メジャーリーグ機構は月曜日(日本時間16日)に選手会へ対案を提示する予定だ」と伝えており、ただちに交渉打ち切りという形にはならないかもしれない。今後の動向に注目だ。

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