日本におけるeSportsの市場規模について徹底解説!

日本と世界におけるeSportsの市場規模の違い

eSportsは、世界的にみるとどんどん市場規模が拡大しており、今や大きな経済効果のある分野となっています。

2017年には、世界中で15億ドルの市場規模となりましたが、その拡大はこれからも続き、経済効果もここから数年で更に上昇するといわれています。世界の中でも韓国や中国、アメリカやヨーロッパといった国の市場が拡大していることから、この先も拡大することが予想されているのです。

しかし一方、日本ではそれほど大きな拡大をみせてはいません。大会の規模、観客人数、賞金についても、他の国と比べると大きな差があり、盛り上がりに欠けているという印象です。

日本では億に達するような賞金がでる大会がありませんが、アメリカを中心として億を超えるような大会がいくつも開催されています。

日本ではゲーム市場自体はとても大きく、世界でも経済規模の大きい国です。ですが、eSportsに関しては人気、プレイヤー人数、盛り上がりなどは他の国と比べると大きく劣り、それが原因となって市場規模を拡大することが難しくなっているのが現状です。

世界のeSportsのシェア割合の中で、日本はたった5%しかないことからも、他の国から大きく遅れをとっていることが分かります。

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eSportsの発展における日本の法規制の問題

どんな競技でも、人気がでて、発展していくには理由があります。昔から伝統がある競技、プレイヤー人数の多い競技、賞金が多い競技などです。

eSportsは最近盛り上がりをみせている競技ですし、日本ではまだ認知度が低いです。そのため、発展させるためにできることとなると、大会の賞金をあげることも改善策の1つです。

しかし、日本にはそれができない理由があります。単純に大会の賞金が高ければ注目度が高くなりますし、参加人数も多くなります。億単位の賞金がでれば、大会が当然盛り上がりますが、日本には高額な賞金がでる大会はありません。

実は、それは日本の法規制によるものなのです。

日本国内でゲームに関する大会を行うには刑法、風営法、景表法の3つをクリアしなければなりません。日本の規則では、その大会への参加費やゲーム購入費などを賞金にあてることはできません。

そして、大会の主催者が商品を提供するとこともできません。

さらには、ゲームメーカーが賞金をだす際も賞金の上限が決まっているのです。厳密にはもっと細かい条件となっていますが、そういった規則があるため、現状ではこれ以上の発展が難しくなっています。法規制なので、これでは大会主催者もどうすることもできません。

こういった問題が、日本でのeSportsの発展の妨げとなっているのです。

日本におけるeSportsの盛り上がり

世界的にみると、日本の盛り上がりはそれほど大きくありませんでしたが、eSportsの大会が定期的に行われるようになり、徐々に人気がでてきています。

日本でもともと人気のあったゲームでの大会を行うなどし、観客が増えて盛り上がりを見せ始めているのです。

特にストリートファイターは世界的にも人気がありますが、日本でも同じく人気のあるゲームタイトルです。

開催された大会は大いに盛り上がりを見せ、その他にもパズドラなど、日本で人気タイトルの大会が開かれるなどして徐々に広がりを見せ始めています。

そして、任天堂で発売している「Nintendo Switch」ですが、このゲーム機の売り上げが伸びていることもeSportsが盛り上がっている根拠になっているといわれています。

「Nintendo Switch」は2017年に発売されたのですが、このゲーム機にはeSportsと相性の良いゲームソフトがあります。

売り上げが伸びていることから、日本でもeSportsの人気がでてきていると言われているのです。大きな盛り上がりを見せている他の国と比べるとまだ規模は小さいですが、大会を開くとそれなりの観客数が集まってきています。

ゲームの売り上げも伸びていることから、日本でも今後さらにeSportsが徐々に盛り上がりをみせていくことになるかもしれません。

日本のeSportsの新団体

まだ根付いていない分野を盛り上げるためには、団体の存在も大きな力となります。日本にあるeSportsを促進する団体は、もともとJeSPA、JeSF、eSports促進機構の3つでした。

これらの団体が他の機関の力をかり、新しい1つの団体になったのです。この新しい団体の名称は「JeSU」と呼ばれ、日本eスポーツ連合の略称となっています。

この団体の注目すべき点ですが、それは団体が1つになることに協力した機関です。この新団体の発足に協力した機関の名称はCESA、JOGAという機関で、IPホルダー側であるということです。これは大きな影響力があり、団体自体の活動の幅も広がりやすくなったのです。

この新しくなった団体が目指すのは、日本オリンピック協会であるJOCへの参加です。JOCに加盟することはこの先、更なる盛り上がりをみせる上でとても大事なことです。

それなりの地位が確保され、認知度も上がり、つまりは人気が上昇する大きなキッカケとなる可能性があるのです。

現在はJOCの加盟を目指しつつ、eSportsの大会にてプロライセンスを発行するなどしながら活動しています。アマチュアではなくプロをつくることも担っていることから、この団体の活動は日本でのeSportsにとって大きな転機となるのかもしれません。

まとめ

2018年時点の日本でのeSportsは新団体設立、テレビ番組や各種メディアのスタートで盛り上がりを見せていくことでしょう。

しかし法律という大きな壁と課題があることも事実です。これからもeSportsの発展に期待しつつと私たちメディアやいちユーザーができることも考えてみるのも良いかもしれません。

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