シーズン開催に暗雲 コミッショナー「開催できる自信ない」

ESPNのジェフ・パッサンによると、メジャーリーグ機構のロブ・マンフレッド・コミッショナーは日本時間6月16日、「2020年シーズンは100%開催できる」としていた前言を撤回。メジャーリーグ選手会との話し合いが行われない状況のなかでシーズン開幕に向けた動きを進めていくのはリスクが大きいとし、「シーズンを開催できる自信はない」と発言した。

マンフレッドは先週、「はっきりと言う。今年、我々はメジャーリーグ・ベースボールをプレーすることになるだろう。100%だ」と語っていたが、突然の方向転換。日本時間6月16日、コミッショナー事務局は選手会に対し、「機構側が3月の合意に違反した」と主張する権利を放棄しない限り、シーズン開幕に向けた動きを進めないことを通告した。

マンフレッドは「これは野球というゲームにとって災害のようなものだ。それだけは間違いない。起こるべきことではないし、ファンのために野球を再開する方法を見つけることこそが重要だ」とも述べている。しかし、少なくともこれまでの交渉過程を見ている限り、機構側と選手会の双方が自らの主張を押し付けあっているだけであり、双方ともファンのために譲歩しようという姿勢は見られない。ファンは完全に置き去りにされている状況だ。

マンフレッドによると、シーズン開幕のためには選手会の誠意ある対応のみならず、健康管理や安全面の対策について選手会とのあいだで合意に達する必要があるという。ところが、サラリー面ばかりがフォーカスされ、肝心の新型コロナウイルス対策についても合意できていないのが現状である。

マンフレッドは「オーナー陣は野球を再開するために100%全力を注いでいる」と語る。しかし、選手会を含め、その言葉を真に受ける者は多くないだろう。「残念ながら野球が100%再開されると保証することはできない」というマンフレッドの言葉どおり、2020年シーズンの開催に暗雲が立ち込めている。

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