複数の選手とコーチがコロナ感染 シーズン開幕への影響も

メジャーリーグ機構は日本時間6月16日、メジャーリーグ選手会に対して複数の選手とコーチが新型コロナウイルスに陽性反応を示したことを通告した。選手やコーチから感染者が出たことにより、もし機構側と選手会が2020年シーズンの開幕について合意したとしても、長期のシーズン開催は望ましくないという判断が下されることになるかもしれない。

レギュラーシーズンを10月、ポストシーズンを11月まで開催してできるだけ多くの試合を消化したい意向を示している選手会に対し、機構側は新型コロナウイルスの第2波を警戒し、一貫して9月下旬のレギュラーシーズン終了を主張してきた。選手やコーチから感染者が出たことにより、機構側はシーズンのスケジュール作成において、新型コロナウイルスへの警戒をより一層強めることになりそうだ。

また、副コミッショナーのダン・ヘイレムは、機構側が新型コロナウイルスを試合数削減に利用しているとの批判に真っ向から反論。「秋の深まりのなかで試合を行うことは、選手やスタッフの健康リスクを高めてしまうものである。我々はできるだけ多くの試合を開催する一方で、選手たちの安全と健康にも最大限に配慮しなければならない」と述べている。ダブルヘッダーを利用して試合数を増やす点についても「1日のうち、選手やスタッフが一緒に過ごす時間が2倍になれば、コロナ感染のリスクも高まってしまう」と否定的だ。

選手会の代表交渉人であるブルース・マイヤーは「10月に試合を開催することを拒否する正当な理由がない」とし、選手へ支払うサラリーを削減するために試合数を減らそうとする機構側の姿勢を批判していたが、選手とコーチから感染者が出たことが機構側の強力な後押しとなる可能性がある。2020年シーズンの開催に向けて、サラリー面のみならず、安全と健康を最大限に考慮したスケジュール面の問題も大きなポイントとなりそうだ。

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