釣り場の怪談。水辺のあれやこれやを防ぐ、誰でもすぐに試せる最強の「御呪い(おまじない)」って?【悪霊退散!?】

写真はイメージです。

さぁ、そろそろ怪談の季節がやってきましたね。毎年恒例の釣り場の怪談シリーズ2020開幕。第1弾は、我々釣り人が被害に合わないための簡単な魔除けの御呪いをご紹介しちゃいます。効果覿面! 信じる信じないはあなた次第。

某ハンターハンターを彷彿させる「御呪い」

さて、今回のお話をしてくださるのは、いろんな釣りを嗜むAさんです。仮称なのはこの手の話をするとだいたい色物扱いされるので、それを防ぐためです。さぁAさん、どんなお話ですか?

A「ちょうど、15年前に経験というか、教えられたことを元に今日はお話をしようかと思います。記者さんにも教えた御まじないの元ネタになる怪談ですよ」

おお、ちなみにその御呪いは実践させていただいています。てきめん、被害受ける事が少なくなったので、結構、活用させていただいてますよ!

A「その元ネタは、ちょうど15年ほど前に京都の鯖街道を抜けて、日本海側の渓流に仲間と釣りに行った時のお話が実は元なんです。ワゴン車に4人乗り込んで、わいわい釣り場に向かったのです。で、4人のうち、運転手のYさんとその後ろに座っていたDさんは、いわゆる霊感が強い人だったんですが……」

お、道中でなにか事件が?

A「ええ(笑)。事件といえば、事件がありました。では、順を追ってお話しますね。運転手を引き受けてくれたYさんは、家が神社なんですよ。ご本人は特に関係のない別の仕事をされている方なんです。そういう家柄もあってか、奇妙なお話を結構お持ちで。

鯖街道を北に走っている最中も、少し、そういったオカルト系のお話で盛り上がったんです。僕ら、釣り人って水辺に出向く事が多くて、よく、幽霊の類って見るもので、そういった話は枚挙に遑がないじゃないですか。結構もりあがりましたね。そのとき、彼は、こういってました」

「水辺は境目だからこそ、曖昧なんだ。だから水辺にはこの世のものじゃない何かがよく彷徨っている」

A「この話は僕も実感がありまして。その仲間4人のうち霊感が強い2人ほどではないですが、金縛りにあったり、幻聴、幻覚を見たり聞いたりするもので。そういった現象って、やっぱり釣り場とか、水辺で多い気はしていたので、なるほど、なるほどと聞き入ったものです」

そういや、鯖街道といえば琵琶湖の西岸、安曇川源流域を通る山道、国道ですよね。

写真はイメージです。

A「ええ。鯖街道にはいくつかトンネルがあるんですが、彼曰く、あまりよくないトンネルもあるみたいな話が出たんです。トンネルといえば、怪談の定番ですよね(笑)。ただ、トンネルも考えてみれば境目なんですよね。彼は、その境目に常に注意するように話をしていました。

ちなみに、時間もそうですよ。丑三つ時が云々って話は定番ですが、それよりも薄暮時(夕方の薄暗くなる黄昏時の時間帯や、朝の明るくなる手前の時間帯)にも注意を払えと、彼はよくいってましたね」

あ、トンネルでちなみに、なにかあったんですか?

明るくもなく、されとて暗闇でもない、そんな「境目の時間」に注意!?

A「トンネルといえば、通ってる最中に幽霊を見ただの、車に乗り込んできただのという話を良く耳にするじゃないですか。そういった話で盛り上がっていた時に、彼はこういったんですよね。車に入ってくる類のものは、割と簡単に防げるよ。と」

あ、なるほど。そこから例の御呪いの話に繋がるんですね。

決め事と言霊。

A「はい。とあるトンネルに差し掛かる前に、彼は、ポツリと言い添えたんです。『ああ、大丈夫だよ。車の窓をしっかり閉めていれば幽霊なんて車に入れっこないから』と」

はいはいはい。なるほど、なるほど。もう、例の御呪いが入ってますね!

A「です。途中で、彼はこれの種明かしをするんですよね。人と幽霊では圧倒的に生きている人の方が力が強いこと。なので、決め事をして宣言すればいいんだって。先ほどのトンネルに差し掛かる前に、Yさんが宣言したのは『車の窓を閉めていれば幽霊なんて車に入ってこれない』というルールと言葉です。こんな強い意思と言霊を発すれば、死者が干渉する余地なんてないって言うんです。

幽霊の力も解明されていないけど、物理現象であるとすれば圧倒的に生者のほうがエネルギーも強いのだから、確固たる意思があれば干渉を防げると言うんです。

そもそも、幽霊の存在を疑う人が、幽霊が見れないのは、それがいないという理解が備わっているから強いともいいましたね。そういったものの存在を否定すればいいだけなので。それも決め事のひとつだと言ってました」

まぁ、必ずあるって言われているダークマターだって、いまだに解明されていませんし、人間の意識もしかり。超常現象が物理と仮定したら死者の思いより、生きている人間の思いのほうが強いのは道理ですよね〜。

話には続きが……

しっかし、某人気漫画のハンターハンターを彷彿させるネタですね。でも、これ昔にお話を聞いて実践してますが、確かに効果覿面です。

A「まぁ、話には続きがあって、車内ではなんだよ、その適当な御呪いは! って話になったんです。いわゆる、それって心の持ちようじゃないかと。幽霊なんてものは、脳が描き出す幻像である所以じゃないかと。でも、Yさんは、それも否定しませんでした。でも、

それでも、やっぱり不思議な事は実際に起こるもんだよ。って笑うんです。で、そんな話で喧々諤々しながら、その鯖街道を走っていて、またヤバイと噂のトンネルに差し掛かったんです。そこで、話で盛り上がっていた後部座席のひとりが、じゃあ、車の窓を開けたらヤバイ幽霊とやらが車に入ってきたりして。と、トンネルの前で閉まってた窓を開けたんですよね(笑)」

おおう。いい展開ですね。どうなったんです?

A「そのトンネルに入り、後ろの座席の窓を開けたひとりが笑いました。『別になんともないやん』って。その直後でした。後ろの2人が同時に鼻血を出したんですよね。わりと派手に(笑)。ポタポタと座席に染みがつくくらいの勢いで(笑)。1人だけなら、あれなんですが、2人同時に(笑)。まだ、夜が明ける前でしたね、ちょうど4時前、明るくなる前でした」

鼻血は意味不明ですけど、ちょっと不気味ですね。

A「鼻を抑えながら、あわてて窓を閉めようとする2人にYさんは言いました。『ダメだよ。入ったままなんだから。せめて窓から出るように申し伝えなきゃ出ていかないよ』と。2人はフゴフゴいいながら、出て行けだの出て言ってくれだの連呼して窓を閉めてましたね(笑)」

その後、どうなったんですか?

A「いいヲチがあれば、話としてまとまるんですが正直それでおしまいです。ただ不思議だったのは、結構な勢いで鼻血が出て、ひとりはハンカチで。ひとりはティッシュで鼻血を拭いていたんです。で、車のシートに落ちる勢いでポタポタしたらしく、持ち主のYさんが早めにシートの鼻血を拭こうと明るくなってから後ろの座席に回ったんですが、シートには1滴も鼻血はついていませんでした。血みどろのハンカチとティッシュは残っていましたが(笑)」

落ちてるような、落ちてないようなですが、お話ありがとうございます(笑)。

御呪いまとめ。

ということで、Yさんの言う御呪いの正体は、意思のある言霊。具体的に、なるべく細かくルールを決めて口に出す事がとても大事なのだとか。

あ、いい歌ありましたね。「おばけなんてうそさ」。あれを口ずさみながら、曰く付きの釣りポイントで強気で釣りをすればいいんですね(笑)!

さぁさぁ、ただの与太話ととるか。実践すべきノウハウととるかはあなた次第。これからの季節、意外に役立つかもですぞ〜。

© 株式会社 内外出版社