7月から「熱中症警戒アラート」試行 神奈川など1都8県

 環境省と気象庁は16日、神奈川を含む関東甲信地方の1都8県で7月から、「熱中症警戒アラート」を試行すると発表した。気温だけでなく、湿度なども加味して算出した「暑さ指数」から危険性を判断し、都県ごとにアラートを出す。不要不急の外出抑制や運動の原則中止を呼び掛け、近年の災害級の暑さで深刻さを増す熱中症の予防を図る。

 試行期間は7月1日から10月28日まで。東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城、栃木、群馬、山梨、長野の1都8県で運用する。秋以降に自治体や住民を対象に行うアンケートなどで課題を検証し、2021年度から全国で実施する方針だ。

 気象庁によると、神奈川で暑さ指数が発表されるのは、気温を観測しているアメダス5地点(横浜、海老名、小田原、辻堂、三浦)。いずれかの地点で指数が33度以上と予想されると、県内全域にアラートが出される。近年の夏の暑さを基にした試算では、シーズン中に10~15回の発表が想定されるという。

 具体的な行動例として、①外出の抑制と室内での冷房の適切な利用②医師や看護師らのいない状況での運動の中止─などを挙げ、特に高齢者や子どもに注意を促す。

 アラートを出すタイミングは1日に2回、午後5時ごろと午前5時ごろとなる。夕方は翌日について、早朝は当日について発表する。日常的に気象関連の注意報・警報を自治体や報道機関に伝えている気象庁のシステムを活用し、自治体には防災無線やメールなどで住民に周知することも求めている。

 気象庁予報部は「暑さへの気付きを促すのがアラートの目的。熱中症の効果的な予防につなげてもらいたい」と活用を呼び掛ける。アラートの試行に伴い、気象庁が気温35度以上が予想された地域に出す高温注意情報は、1都8県では発表を終了する。

© 株式会社神奈川新聞社