【動画】「飛鳥Ⅱ」から出火、黒煙に一時騒然 3時間半後に鎮火

黒煙が上がるクルーズ船「飛鳥Ⅱ」=16日午後2時15分ごろ、横浜港(横浜市中区)

 16日午後1時25分ごろ、横浜市中区の横浜港大さん橋に着岸中のクルーズ船「飛鳥Ⅱ」(約5万トン)から「最上部で火災が発生した」と第3管区海上保安本部に無線で通報があった。市消防局の消防車両約30台が消火活動に当たり、約3時間半後に鎮火した。当時、乗客はおらず、乗組員153人がいたが、けが人はなかった。乗組員は整備作業に従事していたという。

 県警などが出火原因を調べる。所有する郵船クルーズ(横浜市西区)や市によると、火元は最上階の12階にある資材庫内で、約50平方メートルを焼いた。資材庫には、シーツやカーペットなどが保管されていたという。国の運輸安全委員会は17日以降、船舶事故調査官3人を派遣し、火災の調査に当たる。

 飛鳥Ⅱは、2006年2月に就航。全長241メートル、全幅約30メートルで、436の客室を備える国内最大のクルーズ船。横浜港を母港にしており、4月1日に帰港し、大さん橋に着岸していた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、今後の運航は未定になっている。

 現場では黒煙が上がり、多くの消防車両が駆け付け、一時騒然となった。横浜海上保安部の巡視艇など5隻も現場海域の警戒に当たった。

 消火活動を見守った男性(46)は「飛鳥Ⅱは横浜市民に最も愛されているクルーズ船。コロナ禍から立ち直りつつある中で、火災はショックだ」と不安そうに話した。

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