<いまを生きる 長崎コロナ禍> 支援員の待遇改善、必要 長崎県学童保育連絡協議会長 小山浩氏 触れ合い制限 手探り続く

 今春、新型コロナウイルスの感染拡大防止で長崎県内の小中高校が休校となり、保護者が働いている児童を預かる放課後児童クラブ(学童保育)は、急きょ午前中から開所せざるを得なくなった。県内の感染者は4月17日を最後に確認されていないが、第2波が押し寄せる可能性は否定できない。学童保育はどう備えればよいのか。県学童保育連絡協議会長で、学童保育「ほしのこらんど」(長崎市)の児童支援員、小山浩氏(60)に聞いた。

「子どもは触れ合いながら成長していく」と話す小山会長=長崎新聞社

 -今春の休校期間中、ほしのこらんどの対応は。
 普段の授業の時は午後2時半~7時の開所だが、午前8時から児童を受け入れた。市が密集回避で利用自粛を呼び掛け、児童数は約50人から10~30人に減少したが、開所時間が延びたため1日の支援員は通常の平日より1人多い7人が時間をずらして対応した。支援員は9人いるので交代で休めたが、多くの学童保育がぎりぎりの人員態勢で運営しており、支援員がほとんど休みが取れなかったところもあると聞いている。

 -勤務時間や日数が増えた分の人件費にはどう対応したのか。
 その分は国の補助があったので問題ない。ただコロナ禍で人材不足があらためて浮き彫りになり、国に従来求めている支援員の待遇改善の必要性を強く感じた。第2波でまた休校になったら、対応できるか分からない。人材バンクのような非常時に備える仕組みづくりがあってもいい。

 -感染防止対策は。
 席を離して距離を取るなどしていたが、どうしても子どもは接近する。注意してもいつの間にか隣同士になっていることもあった。ならば部屋の中で密集しないよう、(ほしのこらんどが入っている)小学校のグラウンドや体育館を使わせてもらい、児童を分散させることができた。ただ、学外で開設している学童はスペースの確保に苦労していたようだ。公民館など周辺の公共施設を使わせてもらうなど、行政との連携も必要だ。

 -休校は必要だったと思うか。
 休校は子どもの密集を避ける目的があったと思うが、そのリスクは学童も抱えている。結果的に学童で感染は発生しなかったが、常に不安はあった。ただ、休校がなかったら感染予防への意識は低いままだったのではないかとも思う。

 -ようやく日常が戻りつつある。
 いつ誰が感染するか分からず、不安を抱えたままの生活はしばらく続くだろう。旅行やイベントなど、いろんなことを我慢したまま子どもは過ごしている。学童にいる時間ぐらいは思いっきり遊ばせたい。子どもたちは手をつないだり、けんかをしたりしながら成長していく。人との触れ合いをどこまで制限するべきか。手探りの日々が続いている。

 


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