コロナ禍でも月に20回以上ライブ敢行の暴挙 無慈悲なアイドル運営会社の言い分

写真はイメージです。

「『緊急事態宣言』はウチらにとっては『奴隷解放宣言』でした。『緊急事態宣言』が出されなかったら、ずーっとツーショットチェキの売上の30パーセントのギャラだけで毎月20本ライブにアイドル達を出演させていたと思います」

アイドルグループXの関係者Y氏は開口一番恐ろしいことをおっしゃいました。それだけ当事者の方々は過酷な状況下にいらしたようです。

アイドルのライブでは、お目当てのメンバーとツーショットを撮ります。小型のインスタントカメラ「チェキ」で撮影することにより、その場で写真を出力して、サイン、ファンに向けた個別メッセージをペイントマーカーなどで書き加えて、世界で唯一つだけのアイドルとファンの記念品となります。

そのチェキを1枚撮るのに、1000円としても、3割で300円。10枚撮って3000円のギャラになる計算です。

「コロナ禍の最中もライブハウスが営業自粛するまで、ライブを敢行しました。月に20回以上のライブ、レッスンでアルバイトをする時間もないアイドル達は、実家暮らしか援助者がいない限りは金欠です。事務所からアイドルに個別に貸し付けはしていました」(Y氏)

コロナ感染を危惧したり、過酷な条件に耐えかねたりして、ライブ出演を控えようとするアイドルを脅して、引き留めるのもマネージャーの役目だったそうです。

「やめたらライブハウスのキャンセル料かかるんだから、負担してもらうよ。前売券のお客さんの払い戻しもしないといけないね。ギャラから差し引いても足りない分、どうやって作るの? 変なバイトでもされたら、事務所が迷惑だから。金借りて今後のギャラから相殺にするか?」

過酷な条件に耐えかねて、アイドル、さらにはマネージャーも音信不通になるケースも。離れた裏切り者は、Twitterで公開処刑されるようです。

「テレビ朝日、日本テレビ、TBSの音楽出版会社等が主要取引先ですから、外から見たらマトモなアイドルプロデュース会社です。実態は、悪質なブラック企業というプロダクションに搾取され続けるアイドル達は本当に気の毒です」(Y氏)

緊急事態宣言が解除されたものの、ライブハウスは三密を避けるために厳しいガイドラインが出されているので、緊急事態宣言発令前の過酷な状態には戻らないのが、せめてもの救いだそうです。(文◎星野純蓮)

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