開幕大丈夫? 苦しい阪神トリオ&巨人パーラら…助っ人を練習試合成績で診断【セ編】

DeNAのタイラー・オースティン、阪神のジャスティン・ボーア、巨人のヘラルド・パーラ(左から)【写真:荒川祐史】

DeNAのオースティン、ソト、ロペスの3人は期待膨らむ結果に

プロ野球は6月19日、いよいよ2020年シーズンが開幕する。新型コロナウイルスの感染拡大により開幕が延期になり、3か月遅れで迎えるシーズン。ファンにとって待ち望んでいた時がついにやってくる。

12球団の浮沈の鍵を握るのが助っ人選手たち。今季は外国人枠の拡充も決まり、より一層、助っ人の働きは重要になりそうだ。では、その外国人たちは2日から行われていた練習試合でどのような成績を残したのか。練習試合期間で調子を上げてきたのか、それとも下降していったのか。練習試合期間の成績を見ていこう。

今回はセ・リーグだ。

【巨人】
パーラ
32打数6安打0本塁打2打点 .188
1週目:11打数2安打0本塁打0打点 .182
2週目:21打数4安打0本塁打2打点 .190

昨季ナショナルズで世界一となったパーラだが、練習試合では不本意な成績に終わった。1週目は打率.182、開幕が近づいてきた2週目も打撃成績は上向いてこなかった。練習試合を通じて打率.188で本塁打もなし。シーズンに入って、豹変する姿を見られることを期待したい。

【DeNA】
オースティン
26打数10安打3本塁打7打点 .385
1週目:14打数7安打2本塁打4打点 .500
2週目:12打数3安打1本塁打3打点 .250

ソト
35打数9安打3本塁打7打点 .257
1週目:16打数3安打2本塁打5打点 .188
2週目:19打数6安打1本塁打2打点 .316

ロペス
39打数11安打3本塁打9打点 .282
1週目:19打数6安打1本塁打4打点 .315
2週目:20打数5安打2本塁打5打点 .250

3人の助っ人野手が並ぶDeNA。練習試合ではその3人ともが、それなりに結果を残し、シーズンでの期待が膨らむこととなった。新助っ人のオースティンは打率.385をマーク。ただ後半にややペースが落ちたことが気がかりか。逆にソトは開幕が近づくにつれて状態を上向かせた印象で2週目は打率.316とした。経験豊かなロペスもまずまず。3人ともが3本ずつ本塁打を打っているところも見逃せない。

【阪神】
サンズ
23打数4安打1本塁打1打点 .174
1週目:14打数3安打1本塁打1打点 .214
2週目:9打数1安打0本塁打0打点 .111

ボーア
30打数6安打3本塁打6打点 .200
1週目:14打数4安打3本塁打6打点 .285
2週目:16打数2安打0本塁打0打点 .125

マルテ
28打数6安打0本塁打2打点 .214
1週目:13打数3安打0本塁打0打点 .230
2週目:15打数3安打0本塁打2打点 .200

DeNAと同様に3人の助っ人野手を並べていた阪神だが、こちらは苦戦気味か。新助っ人のボーアは練習試合再開からいきなり3試合連続で本塁打を放って脚光を浴びたが、その後は低迷。2週目は打率.125と苦しみ、対左投手に対しての課題も露呈した。同じく新加入のサンズも低迷。こちらは打率.174に沈み、2軍降格となった。2年目のマルテも打率.214。リーグ優勝には打線の奮起が欠かせない阪神。助っ人たちの変貌に期待したい。

広島メヒアは本塁打&打点の2冠、中日勢は貫禄の結果に

【広島】
メヒア
33打数9安打5本塁打15打点 .273
1週目:19打数5安打4本塁打7打点 .263
2週目:14打数4安打1本塁打8打点 .286

ピレラ
43打数11安打1本塁打5打点 .256
1週目:21打数4安打0本塁打2打点 .190
2週目:22打数7安打1本塁打3打点 .318

広島はメヒアが結果を残した。打率こそ高くないが、満塁弾を含む5本塁打で15打点をマーク。本塁打と打点はセ・リーグで“2冠”だった。粗さはまだあるが、そのパワーには期待したい。新助っ人のピレラは2週目に入って打率.318をマークするなど、練習試合終盤にかけて安定して結果を残した、開幕1番起用が有力視されており、リードオフマンとして期待だ。

【中日】
アルモンテ
27打数8安打2本塁打6打点 .296
1週目:14打数6安打1本塁打2打点 .429
2週目:13打数2安打1本塁打4打点 .154

シエラ
13打数3安打1本塁打1打点 .231
1週目:8打数3安打1本塁打1打点 .375
2週目:5打数0安打0本塁打0打点 .000

ビシエド
29打数11安打4本塁打6打点 .379
1週目:15打数7安打3本塁打4打点 .467
2週目:14打数4安打1本塁打2打点 .286

DeNA、阪神と共に3人の助っ人が練習試合でプレーしていた中日。実績あるビシエドは安定して結果を残しており、不安はなさそう。アルモンテは1週目に.429と打ったが、2週目はペースダウン。ただ、2年続けて結果を残している選手なだけにこちらも心配は無用か。新助っ人のシエラは前半に打数は少ないながらも、3割台をマークしたが、後半は音無しに終わった。

【ヤクルト】
エスコバー
30打数3安打0本塁打0打点 .100
1週目:15打数0安打0本塁打0打点 .000
2週目:15打数3安打0本塁打0打点 .200

オリックスのジョーンズ、巨人のパーラと共に大物助っ人の1人として来日したエスコバー。オープン戦でも苦戦していたが、練習試合でも打撃面ではあまりパッとしなかった。前半は15打席ノーヒット。18打席目にようやく初安打が出たものの、2週目も打率.200に終わった。ヤクルトは練習試合でチーム自体も苦戦。新助っ人にかかる期待は大きいが、どうなるか。

練習試合と公式戦ではバッテリーの攻め方も変わり、そして助っ人たちの集中力、モチベーションも違うはず。シーズンに入って豹変する選手もいるかもしれない。ついに始まるプロ野球。各チームの助っ人たちがどんな働きをするか注目したい。(Full-Count編集部)

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