同志社大学 コロナ禍の中小企業経営への影響を調査

同志社大学中小企業マネジメント研究センターでは、新型コロナウイルスの中小企業経営に与える影響を明らかにするため、日本全国の中小企業家を対象に、アンケート調査を実施した。

調査によると、「コロナウィルスの影響がいつまで続くか」を聞くと、「1年以上程度続く」が74.0%、その影響は長くとも「2021年末まで」が25.7%だった。今回の状況を受けて、何らかの新しい行動を起こしている企業は66.9%で、その取組はさまざまだった。企業家自身の現在の心情は、半数の企業家が「ピンチはチャンス」「何とかなるだろう(楽観的・希望的観測)」と感じている。

自社の存続については、「必ず長期的に存続していく」と66.4%が回答。経営上の相談や対応を求めたのは、経営者仲間が最も多く、続いて従業員、税理士、顧客の順。相談・対応の満足度も経営者仲間が最も高く、企業家は従業員といった組織成員だけでなく、経営者仲間や税理士など組織外成員と相談し合っていることがわかった。

在宅ワークへの対応は、「在宅ワークに完全に転じた7.4%、一部転じた26.5%」、「在宅ワークに転じる必要がない30.1%」。業種や仕事柄、在宅ワークにすることができないといった意見も多くみられた。2020年4月の売上高について、2019年同期比では、多くの企業家が減少したと回答する中、14.4%が増加したと回答。今後3か月(5~7月)は、77.3%の企業家が減少する見込みと回答した一方で、5.7%は増加すると回答した。

同センターでは、今後、新型コロナウィルスの影響にともなう企業家活動をさらに知り学んでいくために、企業家へのインタビュー調査、そして追加的な調査などを行う予定。

※調査対象は日本全国で366件、おもに関西地域(大阪、京都、兵庫で52.8%、東京は6.0%)、製造業26.5%、卸・小売13.9% 従業員数9名以下54.9% 1990年代以降の創業46.1%

参考:【同志社大学中小企業マネジメント研究センター】新型コロナウィルスの中小企業経営に与える影響にかんする調査結果

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