イノシシによる農作物被害を減らすため、神奈川秦野市は本年度、小型無人機ドローンを活用して捕獲する取り組みを、新たに市内3地区で導入する方針を明らかにした。既に実施した1地区も含めて効果を検証し、効率的な捕獲につなげる。16日の市議会一般質問で、原聡氏(創和会)の質問に答えた。
市によると、ドローンは上空から被害現場などを確認するために活用。イノシシの出没範囲や行動パターンを予測し、最適なわなの設置場所を探る。
被害の深刻化を受け、市は昨年度、市農協や農家、県などと協力して対策を練る研修会を立ち上げた。ドローンを活用した捕獲作戦を考案し、同市平沢の小原地区で始めた。
設置したわなでは2頭を捕獲。その後逃走してしまったものの、一定の効果が得られたことからより広範囲で試すことを決め、伊勢原市境の東地区を選定した。東地区以外の実施場所は住民と協議して決める。
市議会で答弁に立った沼崎千春環境産業部長は「調査の省力化や情報共有が可能になり、ドローンの空撮は大変有効。検証して効果的な対策の定着を図りたい」と話した。