リカルドのフェラーリ移籍が2度も潰えたことに元F1ドライバーが疑問「完全に成功すると思っていた」

 元F1ドライバーのマーク・ウエーバーは、この数年でダニエル・リカルド(ルノー)とフェラーリが2回も契約合意に至らなかったことについて当惑している。

 リカルドは2021年にルノーからマクラーレンへ移籍することが決まっており、マクラーレンとは先月に複数年契約を締結している。

 フェラーリでシートを獲得し、離脱するセバスチャン・ベッテルの後任になることについてチームと話し合いをしていたという大きく広まった噂については、リカルド本人が最近になって認めた。またリカルドは、そうした話し合いは実際には数年前から始まっていたと明らかにした。当時、リカルドはレッドブル以外での将来について思案していた。

「すでに数年前から話し合いは行われていた。最近までずっと続いていたんだ」とリカルドは語った。

「そのことは否定しないけれど、実現することがなかったのは明らかだ」

 ウエーバーは、なぜリカルドとF1で最も成功したチームであるフェラーリが契約締結に至らなかったのか疑問に思っている。

「フェラーリでのチャンスは2度あった。何らかの理由があったのだろう。我々は完全に成功すると思っていて、当然実現するはずだった。でもそうはならなかった」とウエーバーはF1公式サイトのポッドキャスト『F1 Nation』で語った。

「なぜ彼はフェラーリとの条件に合意できなかったのだろう。彼らに動機があったのだろうか? 僕は彼がシャルル(ルクレール)と親しいことを知っている。彼はシャルルと仲が良すぎるのだろうか? 僕には分からないが、そうしたことを彼らは考慮したのだろうか?」

「だが最終的には2回にわたって、彼らは関係性を整理することができなかった」

「そのために彼は動かなければならなかった。明らかにルノー移籍は彼にとって挑戦だったからだ」

 しかしウエーバーは、リカルドがマクラーレンに移籍したことで、チームが今後のレギュレーション改定を完全に活用できれば、将来的に効果があるだろうと考えている。

「メルセデスエンジンがあれば、特にマクラーレンのようなチームは、新たな状況を利用してうまくやっていくだろうと思う」

「彼らにとってすべてが上昇傾向にあると思う。この難しい時期を乗り越えることができれば、マクラーレンに否定的な面は見られない。彼らの最速ラップタイムはポールポジションに近づいていくに違いないよ」

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